がん検診

乳がんになりやすい人|遺伝や身長、乳房の大きさは関係ある?

この記事の監修ドクター

高井戸東健診クリニック 院長
市毛 敬子

1981年 東京慈恵医科大学卒業
2006年 高井戸東健診クリニック 勤務開始

乳がんの家族歴があると発症リスクが高まりますが、他にも女性ホルモンや生活習慣が影響します。日本で年々罹患率が高まっている乳がんになりやすい人の傾向について解説します。

目次
  1. 乳がんになりやすい人とは?
  2. 乳がんのリスクを下げる方法はある?
  3. 定期的な乳がん検診やレディースドックの受診を

乳がんになりやすい人とは?

乳がんになりやすい人とは?

まずは、乳がんを発症しやすい人の特徴や傾向について説明します。条件に当てはまる人は、特に注意が必要です。

遺伝との関係

乳がんになる大きな要因のひとつは遺伝です。乳がんに罹った方の中で遺伝的な乳がん発症リスクのある人は約7~10%だと言われています(遺伝性乳がん)。代表的なのは「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」で、がん発症を抑制する働きがある遺伝子BRCA1またはBRCA2に病的な変異があり乳がんや卵巣がんに罹りやすくなります。

祖母・母・姉妹・おばなどの血縁者が乳がんに罹った人は、遺伝的に乳がんに罹りやすい可能性があります。また、家族同士は食生活など生活習慣が似ている傾向にあり遺伝的に問題がなくても罹りやすい病気が一致しがちです。

乳がんに罹りやすい遺伝子変異を持っているかどうかは血液検査で調べることができ、希望がある方は遺伝カウンセリングの体制が整っている医療施設で相談してください。

女性ホルモンとの関係

乳がん発症は、女性ホルモンであるエストロゲン(主に卵巣から分泌)が関係しているといわれています。エストロゲンが分泌されている期間が長ければ長いほど乳がんを発症するリスクは高まります。簡単に言えば(エストロゲンが分泌されて)月経がある期間が長い方が乳がんになりやすいのです。

  • 11歳以下で初潮を迎えた人や閉経が55歳以上の人
  • 出産したことのない人や出産数が少ない人
  • 授乳したことがない人や授乳期間の短い人

経口避妊薬(ピル)の使用期間が長い人、閉経後に長期のホルモン補充療法を行なっている人も、乳がんのリスクが高いとされています。ただしピルは避妊のため以外に月経痛などの治療にも用いられ、ホルモン補充療法は更年期障害の緩和に有用です。乳がんのリスクは上げる可能性はあっても、他のがんや病気を減らす効果もありますから、主治医とよく相談の上で処方してもらいましょう。

閉経後は卵巣から女性ホルモンが出なくなりますが、脂肪組織の働きで副腎のホルモンがエストロゲンに変化しますから、閉経後に肥満の人は乳がんのリスクが高まります。

乳房の大きさや身長などは関係あるのか

乳房の大きさと乳がんの発生しやすさは関係ないと言われています。身長が高い人が乳がんに罹りやすいという欧米の研究がありますが、日本人にあてはまるかどうか検証中です。

乳がんになりやすい年代

乳がんを発症しやすい年代は30代~50歳前後がピークです。しかし20代や閉経後も発症する恐れはあるので、世代を問わず定期的に検診を受診しておくことが重要です。

生活習慣は関係あるのか

最近の乳がん増加の背景には、過剰な脂質摂取、飲酒、喫煙、夜間勤務や夜型の生活などの生活習慣が影響していると考えられています。

乳がんの既往

乳がんに罹患して完治した方でも、健常な側の乳房に新たにがんが発生するリスクは高いのでがん検診を受けてください。

▼乳がんになりやすい人

  • 血縁者や自分が乳がんに罹ったことがある
  • 初潮が早い人、閉経が遅い人
  • 出産や授乳の経験がない人、出産数が少ない人、授乳期間が短い人
  • 長期の女性ホルモン剤の使用
  • 30歳代~50歳代
  • 閉経後の肥満

乳がんのリスクを下げる方法はある?

特に閉経後の運動習慣は乳がんリスクを下げると言われています
閉経後の肥満や過度な飲酒・喫煙を避け、規則正しい生活をおくることは、乳がんだけでなく他の疾患の発症リスクを引き下げます。特に閉経後の運動習慣は乳がんリスクを下げると言われています。

定期的な乳がん検診やレディースドックの受診を

定期的な乳がん検診やレディースドックの受診を

乳がんは11人にひとりが罹る病気です。お知り合いに乳がんに罹った方がひとりやふたりはおいでになるのではないでしょうか。高頻度ながんだけに「乳がんに罹りやすい」といわれている方だけが罹るわけではありません。

乳がんには、「乳房を切除しなければいけない病気」もしくは「助からない病気」というイメージがあるかもしれません。しかし近年は、早期発見によって命を落とすことは少なくなっています。早期に治療すれば乳房全部を切除せず一部の切除で乳房を温存することができることも多いです。定期的に検診を受けることが何よりも重要です。

市区町村や職場の乳がん検診を利用して無料または安い自己負担での検査を受けましょう。

対象年齢や検査の種類は、市区町村や職場によって異なります。ご自身が対象年齢でない場合は個人で乳がん検診やレディースドックを受けると良いでしょう。医療機関を選ぶ場合はWEBの検索・予約情報サイトで比較すると便利です。

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