婦人検診の概要と費用感|乳がん、子宮がんに備えよう

人間ドック

婦人検診の概要と費用感|乳がん、子宮がんに備えよう

結婚、そして妊娠・出産を考えると意識するようになるのは「婦人検診」。「婦人検診」に定義はありませんが、女性特有の病気、特に女性特有のがんを検査する検診を指すことが多いです。主に乳腺科・乳腺外科・一般外科の乳腺部門が担当する乳がん検診(産婦人科で行う医療施設もあります)と産婦人科が担当する子宮がん検診を合わせて受けるものです。

乳がんや子宮頸がんは罹る方の数が多く、他の臓器のがんに比べて若い世代にも発生します。20歳代、30歳代の若いうちから検診の習慣を身につけましょう。

婦人検診でわかる病気、受診するタイミングや検査項目を把握し、今後の健康管理の参考にしてください。

目次
  1. 婦人検診の検査目的とは
  2. 婦人検診の検査の流れ
  3. 婦人検診の検査項目

婦人検診の検査目的とは

婦人検診では、乳がん、子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)、卵巣がん、子宮筋腫・子宮内膜症など、女性特有の器官に現れる病気の早期発見を目的とした検査を行います。

婦人検診では、乳がん、子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)、卵巣がん、子宮筋腫・子宮内膜症など、女性特有の器官に現れる病気の早期発見を目的とした検査を行います。

厚生労働省は対策型検診(住民健診の一環として行うがん検診など:集団検診)として、乳がん検診は40歳以上の女性を対象に2年に1回、子宮頸がん検診は20歳以上の女性を対象に2年に1回の受診を指針としています。対策型検診は対象となる住民にがん検診を行うことで住民のそのがんによる死亡率を減らすことを目的としています。一方、任意型検診(人間ドックや個人検診)は、個々の方のニーズに合わせて行う検診で個人の健康を守ることを目的としています。時代の変化とともに、個々の女性を取り巻く社会環境も大きく変化しています。その方の年齢や月経の状態、妊娠・出産歴、日々の生活によって、起こりやすい病気も変化します。ご自分の健康を守るためには、自覚症状のない時にこそ定期的に婦人科検診を受けることが大切です。一般的に早期のがんでは罹っていても自覚症状がない方が大部分です。自覚症状がある場合は検診でなく一般外来を受診してください。

婦人検診で身体の相談をすることを苦痛と思われる方、検査が「恥ずかしい」「痛みが不安」と思われる方も少なくなく、そうした方のために女性による女性のための取り組みを行う検診施設もたくさんあります。女性受診者のみ受診できる「レディースデー」の設定や女性専用フロア/ルームの設置、女性医師・女性検査技師が対応可能な施設などがありますので、活用していきましょう。

婦人検診の検査の流れ

婦人検診の検査の流れを説明するスタッフ

実際に婦人検診を受けるとなるとどのような流れになるのか、検診前の段階から見ていきましょう。

受診予約と検診前の過ごし方

多くの施設で検診は予約制(電話、ファックス、メールなど)です。女性医師の対応を希望する場合は女性医師対応可能日であるかを確認しましょう。また、妊娠中や妊娠の可能性のある時は必ず伝えておきます。
問診では最終月経日、月経周期などを聞かれますから、あらかじめ確認しておいてください。

子宮頸がん検診は、月経中、産婦人科診察1週間以内、腟剤使用後1週間以内は避けてください。また検診の3日前から、腟内の洗浄、性生活は行わないでください。

子宮体がん検診は、妊娠中や妊娠の可能性のある場合はできません。月経中は避けてください。
乳がん検診は、月経前1週間はなるべく避けてください。マンモグラフィは妊娠中や妊娠の可能性のある方、授乳中や断乳後6カ月以内の方、胸部外傷や肋骨骨折の治療中の方、背中が極端に曲がっている方、10分程度動かずに立っていられない方、胸部や首に異物の埋め込みをしている方(豊胸手術後、心臓ペースメーカー、シャント、カテーテル、ポートなど)は受けられません。

施設の選び方としては、毎回同じ施設で受ける場合は前回の検査結果と比較して診てもらえるメリットがありますが、たまに違う施設で受けるのも別の視点で診断してもらうメリットがあります。異常が見つかった場合に検診を受けた施設で精密検査や治療を受けたい方は対応可能な施設かどうかあらかじめ調べておきましょう。

当日の流れ

まずは問診票を記載します。自覚症状や月経の状況、妊娠や出産歴などを問診票に記載し、これを医師が確認して気になる症状などを聞かれます。また、予約された検査の内容を説明します。問診の結果、予約された検査の変更が必要になることがあります。例えば、妊娠の可能性があるのにマンモグラフィを予約されていた場合などです。

次に診察です。乳がん検診ではブラジャーを、子宮がん検診ではパンツを脱ぎます。検査着がない施設もあるので、更衣しやすいゆったりした服装、上下が分かれた服装(ブラウスとスカートなど)で出向かれると受診準備がしやすいです。

検査の際、一番大切なことはリラックスすることです。緊張していると力が入ってしまい、痛い思いをするだけでなく診察が不十分になってしまいます。

検診結果について

結果は、検査内容によりますが1~2週間後に医師から結果を聞く、または郵送してもらうのが一般的です。定期的な検診が大切なので、次回の受診のタイミングを確認しておくと良いでしょう。

婦人検診の検査項目

マンモグラフィー(乳房X線撮影検査)イメージ

施設やコースにより異なりますが、婦人検診では乳がん検診と子宮がん検診を中心に行います。対策型検診である市区町村の検診や職場の検診は対象年齢や検査内容が決められていますが、検診費用の大部分を市区町村や職場の健康保険組合が負担してくれるので安価(または無料)で受けられます。別に希望する検査がある場合は、施設によっては有料での追加検査を扱っているところもあるので相談してみてください。

乳がん検診

マンモグラフィー(乳房X線撮影検査):X線装置を用いて乳房を撮影する検査で立った状態で乳房をはさんで撮影します。石灰化・しこり・乳腺のゆがみを観察。特に石灰化を伴う乳がんの発見に適しています。妊娠中・妊娠の可能性のある方、授乳中は原則不可。月経の1週間程前は乳房が張って痛みに敏感になることもあるのでなるべく避けましょう。費用は5,000円程度。

石灰化:乳腺の分泌物や死んだ細胞にカルシウムが沈着してレントゲン検査で白く写ります。石灰化の形や分布からがんによるものか心配のいらないものかを判断します。

乳房エコー(乳房超音波検査):ベッドに横になり乳房にジェルを塗り、超音波を当て乳房の内部を観察。しこりの性状や乳腺の状態を確認します。妊娠中や妊娠の可能性のある人も検査できます。しこりを見つけるのに優れています。費用は4,000円程度。

乳房視触診(医師が胸やわきの下を触りしこりや皮膚のつっぱりの有無を診察)を行うこともあります。

子宮がん検診

子宮頸部細胞診:子宮頸がん検査。プラスチック器具やブラシで子宮頸部の細胞をこすり取って顕微鏡で調べる検査。費用は3,000円~5,000円程度。

子宮内膜細胞診:子宮体がん(子宮内膜がん)検査。子宮内腔に細い器具を入れて子宮内膜の細胞を採取して顕微鏡で調べる検査。費用は5,000円~6,000円程度。

内診:腟内の指と腹部にあてた手で子宮や卵巣をはさんで触診するもので、細胞診やエコーと併せて行います。

経腟エコー(経腟超音波検査):細い棒状の超音波発信器具を腟に挿入し、子宮や卵巣の様子を見る検査。卵巣がん、卵巣のう腫、子宮筋腫、子宮内膜症などの病気を調べます。費用は4,000円程度。

その他

婦人検診と一緒に性感染症や風疹抗体の検査をすることは、これから結婚や妊娠を考える方にお勧めです。

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