がん検診

乳がん検診|乳腺エコーやマンモグラフィなど検査内容や受診方法について

この記事の監修ドクター

高井戸東健診クリニック 院長
市毛 敬子

1981年 東京慈恵医科大学卒業
2006年 高井戸東健診クリニック 勤務開始

乳房に発生するがんは、日本人女性の生涯を通じて11人に1人は罹ると言われ(国立がんセンター統計による)、日本人女性の罹るがんの中では最多です。

がんに罹るのは中高年と思いがちですが、実は乳がんは若い人でも罹ります。罹患率が高く若い人も罹る乳がんは、罹ったご本人だけでなく家族や社会にとっても大きな問題です。

しかし、乳がんは早期発見すれば治る可能性が高いがんでもあります。「ピンクリボン運動」といった乳がんの啓発活動も世界規模で行われており、がん検診の重要性はとても大きいと言えます。

ここでは乳がん検診について、検査内容や受診する上で知っておきたいことをご紹介します。

目次
  1. がんに罹る女性の中で最も多いのは乳がん
  2. 主な検査はマンモグラフィと乳腺エコー
  3. まとめ:女性が乳がん検診を受けやすくするための環境整備

がんに罹る女性の中で最も多いのは乳がん

女性におけるがんの部位別罹患率(2014年)は、乳房、大腸、胃、肺、子宮の順となっています。日本全国の乳がん罹患数は20歳代で320人、30歳代では3,614人と10倍以上です。さらに40歳代は15,673人となり60歳代までこのピークは続き、70歳代以降徐々に減っていきます(国立がんセンター統計による)。

このように、乳がんは決して珍しいがんではなく、早期発見すれば治る可能性が高いとも言われています。それにも関わらず、「乳がんは他人事」、「若いうちは大丈夫」と検診を受けない方が多いのも事実です。

そんな中、ひとりでも多くの方を乳がんから守ろうとピンクリボン運動が行われています。日本でも、10月には都庁をはじめとした街のあちらこちらでピンク色のライトアップが行われ、乳がん検診のポスターを見る機会が増えました。

乳がんが患者さん本人だけでなく、社会にとっても大きな問題であるとの認識が浸透してきた現れでもあります。

主な検査はマンモグラフィと乳腺エコー

乳がん検診の主な検査項目は、乳房を挟んで撮影する「乳房X線撮影(マンモグラフィ)」と、超音波を発生するプローブ(探触子)で乳房を走査する「乳房超音波検査(乳腺エコー)」です。視触診を行うこともあります。

マンモグラフィと乳腺エコーの違い

マンモグラフィは乳がんに伴う石灰化を検出するのに優れた検査です。乳腺の分泌物や死んだがん細胞にカルシウムが沈着してX線撮影で白く写ります。石灰化の形や分布からがんによるものか心配のいらないものかを判断します。一方、乳腺エコーはしこりを検出するのに優れています。

一般的に40歳未満の乳腺の密度の高い世代には乳腺エコー、乳腺の密度が低くなる40歳以上にはマンモグラフィを推奨することが多いです。しかし、乳房の状態は個人差が大きいので両方の検査を受けた方が良いこともあります。

新しい検査方法として「3Dマンモグラフィ(トモシンセス)」、「新世代乳腺エコー(ABUS)」を導入している健診施設もあります。

3Dマンモグラフィは乳房の立体画像を撮影できますが、撮影時間が長く、やや放射線被ばくが大きいです。新世代乳腺エコーは、乳房全体を覆うプローブを用いるので、プローブの当て方によって検査結果が左右することは少ないものの、大きな乳房には不向きでわきの下の病変を診るのが難しいです。

それぞれに長所や短所があり、残念ながらひとつの検査方法で完璧というわけにはいきません。そのため、それぞれの人にあった検査を選択する、あるいは複数の検査を組み合わせて行うことが大事です。

乳房MRIや乳房専用PET(PEM)は検診というより精密検査で行われる検査です。住民健診や職域健診の乳がん検診では検査方法があらかじめ決まっていることが多いですが、必要に応じて追加検査を頼むことができる検診施設もあります。

まとめ:女性が乳がん検診を受けやすくするための環境整備

医療従事者は男性でも女性でも、受診者の皆さんの健康を守ろうと診察や検査に従事しています。それでも、乳房を男性に診られることに抵抗があって乳がん検診を受けない方がいることも事実です。

しかし、中には女性医師や女性技師が担当してくれる施設や、女性のみ受診できる女性専用日を設ける施設もあります。

多くの健診施設は日曜日が休みですが、多忙で平日に受診できない方のために10月第3日曜日はマンモグラフィ・サンデーの催しが行われています(ピンクリボン運動の一環で参加施設では10月第3日曜日にマンモグラフィが受けられます)。

まずはお近くのエリアで、乳がん検診が受診できる医療機関を探してみましょう。レディースデーが設けられているかなど、施設を比較しながらご自身に合った検査コースを見つけてみてください。

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