がん検診

膵臓がんの早期発見方法|初期のうちに見つけるための検査内容と費用

膵臓がんは進行スピードが速く、発見された時には治療が難しい場合も少なくありません。そのため、膵臓がんを早期発見するには定期的ながん検診が何よりも重要です。膵臓がんを早期の段階で発見するために有用な検査にはどのようなものがあるのか、該当検査にかかる費用なども含め、膵臓がん検査について詳しく解説します。

目次
  1. 膵臓がんについて
  2. 早期発見の重要性
  3. 早期発見のための検査方法
  4. まとめ|定期的な検査が早期発見への近道

膵臓がんについて

消化器官のイメージ
膵臓は胃の後ろにあり、食物の消化を促す膵液を膵管内に分泌したり(外分泌作用)、血糖値を調節するためのホルモン(インシュリン)を血中に分泌する(内分泌作用)機能を持った、大きさ約20cmほどの臓器です。

膵臓がんの90%は、膵液が通る【膵管(すいかん)】と呼ばれる管から発生しますが、膵臓がんが発見される際には既に膵内に腫瘤を形成している場合が殆どです。

膵臓がんの中にはIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)と呼ばれる腫瘍性の膵嚢胞から発生するものがあります。

IPMNは膵管の粘膜に粘液を産生する腫瘍細胞が発生し、産生された粘液が膵内にたまって腫瘍性の膵嚢胞が形成されると考えられていますが、この粘液産生腫瘍細胞が過形成や腺腫といった良性の変化から悪性の膵がんに変化していく場合があるのです。

自覚症状がないまま進行していく

膵臓がんは進行スピードが速いだけでなく、早期がんでは症状が現れにくいため発見が遅れやすいことが知られています。

膵臓がんは膵臓のどの部分に発生するかによって、自覚症状が異なります。

膵頭部(十二指腸に近い部位)にがんが発生すると、多くの場合、黄疸やビリルビン尿と呼ばれる症状が出現し、皮膚や白目が黄色くなったり、尿の色が褐色になったりします。これは膵頭部のがんが胆管(胆汁の流れ道)を圧迫したり胆管に浸潤したりする事で胆汁の流れに障害が出る事から起こる症状です。

膵体尾部(膵中央~脾臓寄り)にがんが発生すると腹痛や背部痛などの痛みを感じる事があります。これはがんが近くにある神経節に浸潤する事が原因とされています。

また糖尿病のコントロールが不良になった場合も要注意です。

他に症状が必ずしも膵臓がんに特異的ではない腹痛や食欲不振、発熱などから膵臓がんが発見される場合もあります。

特に食欲が低下し著しい体重減少が認められてから発見されるような膵臓がんは、既にかなりの進行癌である事が多く治療が極めて困難になるので、何らかの自覚症状がある場合には必ず検査を受けるようにして下さい。

膵臓がんの原因

原因として考えられるものは以下の通りです。

  • 喫煙習慣
  • 肥満体型
  • 食生活(高脂肪食や過度の肉食)
  • 慢性膵炎(過度の飲酒によるもの)
  • 糖尿病
  • 家族歴(血縁者に膵臓がん経験者がいる)

したがって検診でIPMNを指摘された場合には、医師の指示に従って定期的に画像検査でフォローする事が必要です。

IPMNに膵臓がんが疑われる変化が生じた場合は手術を考える必要があります。

早期発見の重要性

膵臓がんは自覚症状が出にくく、症状が現れてからでは既にかなりの進行癌である事が多い疾患です。

国立がん研究センターによる2018年の「がん統計;地域がん登録における5年生存率」では、詳細部位の中で膵臓がんの生存率が最も低く、ステージが進むにつれてその確率が著しく低下することも発表されています。罹患リスクは男女共に50代から高まり、男性は60代で一気に増加します。部位別がん死亡数では男性5位・女性3位、2017年までの死亡率統計では男性の死亡率が圧倒的に多く、さらに近年その割合は増加傾向にあります。

性別に関わらず高齢になるにつれて罹患リスクは高まり、がんが進行すると生存率は極端に下がるため、早期発見が重要となります。

※国立がん研究センターがん情報サービス がんの統計’18

早期発見のための検査方法

膵臓がんを早期発見するための検査方法とは?

膵臓がん検査についてですが、最初に血液検査や腹部超音波検査(腹部エコー)などでスクリー二ングを行います。

腫瘍マーカー(血液検査)

■内容

膵臓の腫瘍マーカーとして、CA19-9・Span-1・DUPAN-2・CEA・CA50などがあります。通常は複数の腫瘍マーカーをチェックします。

■検査費用

1種類ごとに約3,000円程度

腹部超音波検査(腹部エコー)

■内容

プローブと呼ばれる端子を腹部にあてて、臓器に反射した超音波を画像にして観察・診断する検査方法です。体外から臓器の状態を観察する検査方法のため、消化管ガスや体格の影響を受けやすく病変の抽出が難しい場合もありますが、被曝などの心配がなくサイズの計測も容易なので、小さな病変でも確認出来るとされています。

■検査費用

約5,000~6,000円

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腹部CT検査

■内容

コンピューター断層撮影検査のことです。
X線を使用しますが、病変の有無だけでなく他臓器への浸潤や転移の有無まで診断する事が出来ます。
造影剤を使用すると、周囲臓器や血管への浸潤をより詳細に確認する事が出来るので、がんが疑われる場合には必ず施行すべき検査です。(造影剤アレルギーの方には造影剤は使用出来ません)

■検査費用

造影剤なし:約5,000円
造影剤あり:約10,000円

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腹部MRI検査

■内容

磁力を用いた検査装置で病変や周辺臓器の状態を画像化し、診断する検査方法です。X線は使用しないので被爆の心配はありませんが、CT検査より撮影に時間がかかります。
造影剤を使用するとより詳細な診断が可能な点はCT検査と同様です。(造影剤アレルギーの方には造影剤は使用出来ません)

■検査費用

造影剤なし:約30,000~35,000円
造影剤あり:約35,000~40,000円

MR胆膵管撮影(MR cholangiopancreatography:MRCP)

■内容

MRI検査時に膵臓がんが発生しやすい膵管と、胆道がんが発生する胆管や胆嚢を同時に撮影する検査方法です。
造影剤を使用しなくても良い点で検査リスクが少ない事や、膵炎を併発してERCP検査が難しい場合にも施行できる事が特徴です。
IPMNの経過観察にも有効な検査です。

■検査費用

約25,000円~35,000円

超音波内視鏡検査(Endoscopic ultrasonography:EUS)

■内容

胃内視鏡と同様に口から超音波内視鏡(エコーを装備した内視鏡)を胃内に挿入し、胃壁にエコーを当てる事で胃の後ろにある膵臓を観察する検査方法です。通常の腹部エコーに比べ膵臓に近い位置からプローブを当てて観察出来るので正確な診断が可能とされています。
ただ、この検査は熟練した医師が行うために、どの医療機関でも可能というわけではありません。

■検査費用

約18,000円~25,000円(※細胞診を行う場合、費用は高くなります。)

※検査費用は医療機関によって異なります。
※検査費用の目安は全額自費で受診した場合を掲載しています。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography:ERCP)

■内容

内視鏡を十二指腸まで挿入し、内視鏡の先端から造影カテーテルを出して膵管や胆管内に進め造影剤を注入する事で、胆管や膵管の様子を観察する検査です。内視鏡で観察できるのは十二指腸乳頭部と呼ばれる胆管や膵管の開口部までで、実際には胆管や膵管の形状を観察するためにレントゲンを併用します。
詳細は省きますが、この時使用する造影剤が膵炎や胆管炎を誘発する場合がある事が知られており、その意味で他の検査より侵襲的な検査と言えます。
膵管や胆管に小さな鉗子を挿入して組織を採取する事も出来るので、細胞診も可能ですが、最近ではEUSでエコーを見ながら膵臓がん疑いの組織を穿刺し、組織を採取する(EUS-FNA)という方法がより低侵襲と考えられています。
実際の膵臓がん検査としては腹部エコー、腹部CT、MRI(MRCP)などがまず行われ、膵臓がんが疑われた場合にEUSやERCPが行われるのが一般的です。

まとめ|定期的な検査が早期発見への近道

年に一度は人間ドックなどを活用し異常がないことを確認
膵臓がんは進行するスピードが速く、発症したことに気づかないばかりか、気づいた時には既に進行している事が多い疾患です。

膵臓自体が身体の深部にあり、他の臓器や重要な血管や神経に囲まれているため、発見が難しい厄介ながんと言えます。

早期発見には定期検査が必要な事はお話した通りですが、予防のために喫煙を控えたり、生活習慣を見直し改善する事も重要です。

現在の健康状態を把握するためにも、年に一度は人間ドックなどを活用し異常がないことを確認しておきましょう。

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