脳ドック

脳ドックとは?検査内容や受けた方がいい人、病院の選び方まで

三愛総合健診センター 中山 尚登 医師

この記事の監修ドクター

三愛総合健診センター 副院長 脳卒中センター長
中山 尚登

仕事やライフスタイルにも大きな影響を及ぼす脳の病気は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を要因として突如発症し、死に至ることも珍しくありません。2022年9月に厚生労働省より公開された「令和3年(2021)人口動態統計」によれば、2021年の脳血管疾患による死亡者数は104,595人にのぼります。
早期発見・早期治療が何よりも重要となるため、脳血管疾患の予防には脳ドックの受診がおすすめです。検査内容や費用、受診した方が良い人のプロフィールまで、「脳ドック」とは何かをわかりやすく解説します。

目次
  1. 脳ドックとはどんな検査?
  2. 脳ドックの検査を受けたほうがよい人
  3. 脳ドックの所要時間と費用
  4. 脳ドックを受ける際の注意点と選び方
  5. まとめ|自分に合った医療機関で脳血管疾患発症前にリスクを把握

脳ドックとはどんな検査?

脳ドックとはどんな検査?

脳ドックとは、脳卒中や脳萎縮といった脳疾患リスクの早期発見のために、MRIや血液検査など、さまざまな方法で調べる検診コースの総称です。

検査内容と流れ

脳ドックで実施される検査は、脳の断層と脳血管を撮影するMRI/MRA検査、頸動脈の狭窄を確認する頸動脈エコー検査、不整脈を調べる心電図、動脈硬化の程度を調べるABI(血圧脈波)検査と、血液検査などを組み合わせて行うことが一般的です。これらの検査では、現在の脳の健康状態を確認しながら、将来的な病気のリスクを診断します。

<検査の流れ>

  1. 事前に受診予約(申し込み)をする。
  2. 予約日(検査日)に来院し受付。問診票の記入。
  3. 検査着に着替えて、申し込んだ検査を順番に受診する。
  4. 当日中に検査結果の説明がある場合は、検査終了後に、MRI検査などの画像を見ながら医師の診断を受ける。

※受診機関によっては、後日来院して検査結果の説明を受ける場合もあります。
※検査結果は報告書(レポート)の受領のみの場合もあります。

検査当日に結果説明を受けた場合も、後日検査画像や検査結果の報告書(レポート)が発送されることが一般的です。

脳ドックでわかる病気

脳ドックでは主に以下のような病気がわかります。複数の検査を組み合わせて受診することで、病気のリスクをより正確に診断します。

検査項目 検査でわかる病気
頭部MRI検査 脳実質の状態(脳腫瘍、脳萎縮の程度、過去に生じた無症候性脳卒中など)
頭部MRA検査 脳血管の様子(脳動脈瘤や狭窄、閉塞など)
頸動脈エコー検査 頸動脈の様子(狭窄や動脈硬化など)
心電図 不整脈(心房細動など)、心筋虚血など
ABI(血圧脈波)検査 白背景の要素
血液検査 全身の病気や血液成分の異常(高血圧や糖尿病など)

MRIとAI(人工知能)で認知症リスクがわかる時代

アルツハイマー型認知症の初期段階では、記憶を司る「海馬」の萎縮が見られます。研究が進められている分野ですが、近年ではMRI画像とAIを活用して海馬の体積を測定し、認知症の発症時期を推測できる検査が登場しています。

気になる「MRI+AI」検査
【名古屋市北区】大隈病院
★認知症予防検診ブレインスイート含む【当日の結果説明】脳ドックBコース

【大阪市北区】梅田東画像診断クリニック
【認知症リスク検査付き】AI(人工知能)による認知症リスク検査+脳ドック(頭部MRI/MRA)

【大阪市旭区】牧病院【認知症予防】脳ドック(頭部MRA/MRA)+AI認知症予防検査(BrainSuite™)

【東大阪市】そばじまクリニック【AI認知症予防検査付き】脳ドック(頭部MRI/MRA)

【枚方市】くずは画像診断クリニック
◆NEW◆【認知症リスク検査付き】脳ドック(頭部MRI/MRA+頸部MRA)+BrainSuite™

【神戸市】こはや脳神経外科クリニック
◆AI認知症予防検査付◆シンプル脳ドック+AI認知症予防検査(BrainSuite™)

【芦屋市】芦屋クリニックのぞみ
脳医学×AI (人工知能) による30代からお勧め次世代脳ドック 頭部MRI/MRA+BrainSuite™

【清瀬市】武蔵野総合クリニック 清瀬本院
脳ドック(頭部MRI/MRA検査)+認知症予防検査BrainSuite™

脳ドックの検査を受けたほうがよい人

脳梗塞やくも膜下出血などの脳血管疾患は、突然発症してそのまま命を落とすケースも少なくありません。また、発症後に一命をとりとめたとしても、体に麻痺や言語障害などの後遺症を残すケースも多く、一度の発症で人生を大きく左右する恐れのある疾患です。

自覚症状などの前触れなく発症することが多いため、病気を未然に防ぐためには、高血圧や糖尿病をはじめとする発症リスクを減らすことが重要となってきます。

<脳ドックの受診が推奨される人のプロフィール>

  • 40歳以上でまだ一度も脳ドックを受診したことがない
  • 高血圧、脂質異常(高脂血症)、動脈硬化などの診断を受けている
  • 家族や血縁者に脳卒中になった人がいる。もしくは糖尿病、高血圧の傾向がある
  • 飲酒、喫煙の習慣がある

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脳ドックの所要時間と費用

実際に脳ドックを受診する場合、どのくらいの時間や費用がかかる?
実際に脳ドックを受診する場合、検診にはどのくらいの時間や費用がかかるのでしょうか。

所要時間は1時間半から3時間前後

脳ドックでは複数の検査を組み合わせて実施されることが多く、全ての検査にかかる時間は検査コースの内容によって異なります。一般的には、着替えや検査後の結果説明の時間を含めると、1時間半~3時間ほどかかるでしょう。所要時間の目安を記載するので、参考にしてください。

<主な検査にかかる所要時間>

検査項目 所要時間
頭部MRI検査 約30~40分
頸動脈エコー検査 約20分
心電図 約5分
ABI(血圧脈波)検査 約5分

費用相場は2~5万円

脳ドックの費用はおよそ2~5万円が相場です。ただし、受診するコースの検査内容や医療機関によって費用は異なります。受けたい検査が網羅されているか、事前に医療機関へ問い合わせをしたり、WEBサイトで確認しましょう。

<検査コースの費用目安>

検査コース(費用目安) 主な検査内容
基本的なコース(2~3万円) 基本的には、MRI/MRA検査・頸動脈エコー検査が設定。
精密検査コース(4~5万円程度) MRI/MRA検査、頸動脈エコー検査をはじめ、心電図、血液検査など複数の検査項目が設定。

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脳ドックを受ける際の注意点と選び方

MRI検査受診にあたってはいくつか注意しなければいけない条件があります。場合によっては受診できないケースも。

脳ドックの受診、特にMRI検査受診にあたってはいくつか注意しなければいけない条件があります。場合によっては受診できないケースもあるので、検査を受ける前に注意点を確認しておきましょう。

<検査時の注意点>

  • MRIは磁器を用いる検査装置のため、金属を含む装飾品などは外しておく
  • メイクをしたままの検査、コンタクトレンズの装着
  • 義歯や入れ歯の使用

<検査を受診できない恐れのある人>

  • 妊娠中、妊娠の可能性がある人
  • ペースメーカーを使用している人
  • 過去に脳動脈瘤のクリップ手術を受けたことがある人
  • 手術などで金属が体内にあると言われている人
  • 刺青(タトゥー)をしている人
  • 閉所恐怖症の人

脳ドックを受ける病院の選び方

脳ドックを設定している医療機関は多くありますが、その中から自分にあった医療機関を選ぶことが大切です。どの医療機関を受診するか、病院や施設選びはインターネットからの情報収集が早くて便利です。サイトから直接受診予約をすることもできるので、仕事や家事で忙しく過ごす人にもおすすめの方法です。

<病院の選び方>

  • 職場や自宅から近い通いやすい場所を選ぶ
  • 受診したいコースや検査項目がある医療機関
  • 費用感と予算が見合っている
  • 施設環境/雰囲気の良さ、設備が揃っている
    (託児サービスなど子供と一緒に受診できる、女性スタッフが多く安心感がある、オープン型のMRI装置で閉所恐怖症でも受診できる、など)
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まとめ|自分に合った医療機関で脳血管疾患発症前にリスクを把握

40歳を過ぎた人は一度脳ドックを受診してみることをおすすめします
脳ドックは、受診することで脳血管疾患のリスクを洗い出すことができます。現在の脳の健康状態を把握するために重要な役割を果たす検診なので、特に病気のリスクが高まる40歳を過ぎた人は一度受診してみることをおすすめします。大病を発症してしまう前にリスクを減らし、健康を維持していくためにも脳ドックを受診してみましょう。