人間ドック
レディースドックとは?検査内容から費用、病院の選び方まで
この記事の監修
一般的な疾患から女性特有の疾患リスクまでを、一度に調べることができる検査コースのことを「レディースドック」といいます。乳がんや子宮がんなど、結婚や妊娠といったライフスタイルの変化と共に婦人科疾患が気になってくる女性は少なくないでしょう。この記事では、レディースドック全般について解説します。
- 目次
レディースドックは女性のための人間ドック
レディースドックとは、スタンダードな人間ドックの検査項目に、乳がんや子宮頸がんなど女性特有の疾患を調べる検査項目を含めた人間ドックコースの総称です。女性受診者のために設定されます。
通常の人間ドックでわかるがんや生活習慣病などの疾患に加え、女性ならではの疾患、乳がんや子宮頸がんなどの早期発見を目指す目的があります。
一番のメリットは、女性特有の疾患を含めた総合的な身体の異常を一度で調べられることです。乳がんや子宮がんなど、自覚症状がないまま進行する婦人科疾患は、がん細胞の転移によって命までを脅かすことにもなりかねません。疾患リスクの把握はすべての女性にとって必要不可欠といえます。
診断できる疾患と受診の推奨年代
日本人の死亡原因1位であるがんのリスクは、誰にでも潜んでいると言っても過言ではありません。女性のがんの部位別罹患数を見ると、多い順から乳がん・大腸がん・胃がん・肺がん・子宮がんと並びます。(2014年国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」)
この乳がんに対するリスクを調べる検査項目が、多くのレディースドックで設定されています。また、子宮頸がん、卵巣がん、子宮内膜症などのリスク発見にもレディースドックが役立てられるでしょう。検査項目は医療機関によって異なりますので、確認の上で受診してください。
【レディースドックでわかる疾患とリスク要因】
疾患 | リスク要因 *複数の要因が絡み合います |
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乳がん |
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子宮頸がん |
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子宮内膜症 |
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卵巣がん |
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これらの婦人科系疾患は、発症しやすい年代があります。レディースドック受診時には自身の年齢を考慮し、検査項目を選ぶ参考にしてください。
婦人科疾患は、他の疾患と同じように生活習慣や遺伝もリスク要因になると考えられています。下記に思い当たる項目があった場合は、年代を問わずレディースドックの受診を検討してみてもいいかもしれません。
- 喫煙習慣がある
- 肥満
- 動物性脂肪の多い食事を好む
- 運動不足
- 多量の飲酒
- 近親者に婦人科系疾患者がいる
- ストレスを感じる
レディースドックの検査項目
レディースドックの主な検査項目と検査の概要を解説します。
検査項目 | 概要 |
---|---|
乳房超音波検査(エコー検査) | 乳がんの検査 超音波を当て乳房の内部を観察 |
マンモグラフィー(乳房X線撮影検査) | 乳がん検査 石灰化・しこり・乳腺のゆがみを観察 |
子宮頸部細胞診 | 子宮頸がん検査 子宮頸部の細胞を採取 |
子宮内膜細胞診 | 子宮体がん検査 子宮内膜の細胞を採取 |
経腟エコー(経腟超音波検査) | 卵巣がん、卵巣のう腫、子宮筋腫、子宮内膜症の検査 腟の中の子宮や卵巣の様子を観察 |
腫瘍マーカーCA125 | 卵巣がんの細胞が作り出す物質CA125を血液検査にて濃度を測定 |
検査の流れと検査時間の目安
予約段階からのおおよその流れと検査時間についてご紹介します。なお、医療機関によってレディースドックの検査項目も異なるため、流れや検査時間は目安として考えてください。
予約
レディースドックは多くの医療機関が予約制です。妊娠中の可能性の有無や、女性医師の対応かどうかなど、事前に気になっていることを伝えておきましょう。
受付・問診票の記入
受診当日の問診票では月経状況や妊娠の有無などを確認されます。婦人科系疾患の自覚症状がある場合も記入します。
診察
検査着に着替えます。検査着がない医療機関もあるので、更衣しやすい上下が分かれた服を着て行くと準備しやすいでしょう。
身体測定、採血(血液検査)、肺機能検査、心電図、眼科検査、上部消化管検査といった、基本的な検査項目の測定が行われます。その後、女性特有の疾患に関する検査(マンモグラフィー、乳腺エコー、婦人科内診、子宮頸がん検査など)が行われます。(検査順は医療機関によって異なります)
着替えて医師との面談
更衣を済ませたあとは、医師による結果説明です。婦人科系疾患は特に定期的な受診が必要なため、次回の受診タイミングも確認しておくと良いでしょう。また、総合的な結果は郵送、または再度受診した際に行われます。
検査項目数にもよりますが、ここまでトータルで1時間半から3時間程度の検査時間です。
その他、女性に配慮した工夫
検査を受けることに不安や緊張を感じる女性も少なくありません。女性に特化した検査内容であるため、見られることが恥ずかしいと対抗を感じる女性もいるでしょう。
近年ではそうした女性に配慮がなされた医療機関もあります。以下はその一例です。
- 女性専用フロアあり
- 全て女性スタッフ・女性医師・女性技師による対応
- メイク直し用パウダールーム完備
- キッズルーム完備
- 働く女性が受診しやすいよう土曜日に実施
- レディースデーの設定
レディースドックの相場は40,000円から60,000円程度
検査項目や医療機関によって、レディースドックにかかる費用は様々です。以下は目安として、受診時は医療機関にて確認してください。
また、各地方自治体の婦人科検診は助成を行っています。
レディースドック
約40,000円から60,000円程度
任意の検査であるため、全額自己負担です。ただし、ご加入の健康保険組合によっては人間ドック費用の一部助成を行っている場合もあります。また、異常があった際の二次検査は保険診療です。
自治体の婦人科検診や人間ドック
1項目当たり無料から2,000円程度
なお、任意の人間ドック費用の一部助成を行っている自治体もあります。条件や指定の検査項目などがあるので適用時に確認ください。
レディースドック受診機関の選び方
年代や検査項目でプランを選ぶ
気になる婦人科疾患がある場合は、該当する疾患に対する項目が設定されているレディースドックのプランを選択します。また、自分の年代を考慮し、疾患リスクが高い検査項目を選ぶこともポイントです。
通いやすい医療機関を選ぶ
自宅や勤務先近くなど、通いやすい医療機関でのレディースドックを選択します。女性スタッフによる対応や子どもを連れての受診(託児所の設置など)に配慮していることも通いやすさにつながります。経時的に評価するためにも、毎年同じ医療機関で受診することもポイントです。
まとめ:全身のスクリーニングに加え、婦人科疾患の検査を
女性のライフスタイルの変化にともない、一人ひとりに合わせた健康管理が必須です。仕事や育児で多忙な毎日こそ、健康と向き合う時でしょう。そのために、通いやすい医療機関を選択し、WEBで気になる検査項目を検索・予約まで行うこともできます。
健康管理の一つとしてレディースドックを活用し、疾患リスクの高い婦人科疾患への予防を実践しましょう。