がん検診
便秘と下痢を繰り返す人は注意!「大腸がん」にならないために
この記事の監修
ストレス社会・多忙な日々を過ごすなか、人にはなかなか言えないけれども、実は普段から便秘と下痢を繰り返している人は少なくないようです。その便通異常の影にはもしかしたら、「大腸がん」が潜んでいる恐れもあります。
この記事では、まずは便秘・下痢のメカニズムをひも解くとともに、生活習慣の見直しで予防できるといわれる大腸がんについても詳しく解説します。
- 目次
いまさら聞けない?便秘・下痢を起こすメカニズム
私たちが摂取した食べ物は、口から食道を通って胃にたまり、どろどろの状態になり腸へと送られます。腸は大きく、小腸、大腸に分かれており、まず小腸で食べ物の消化と栄養分の吸収が行われれます。そして、残ったものが大腸へと運ばれ、大腸で水分を吸収しながら固形の排便へとつながります。
健康な大腸は、腸のぜん動運動(腸が伸び縮みをくり返しながら排出物を先へ先へと送る運動のこと)によってスムーズに便を排出します。しかし、何らかの原因で大腸の働きが通常より低下・過剰となることで、便秘と下痢を招くのです。
便秘はなぜ起こる?
大腸でぜん動運動が弱くなった場合、便を先に送り出せなくなり停滞し、便秘が発生します。逆にぜん動運動が強くなり過ぎた場合でも、腸がけいれんを起こし、便がスムーズに送られなくなって停滞することで便秘になることがあります。
【大腸の働きと便秘・下痢との関係】
ぜん動運動 | |
---|---|
便秘 | ぜん動運動が弱いと便を先に送り出せなくなり、便が停滞する |
下痢 | ぜん動運動が強くなりすぎると、十分に水分が吸収されないまま排出される |
下痢はなぜ起こる?
大腸でぜん動運動が強くなりすぎた場合で、排出物が急速に通過し、本来なら便に吸収されるはずの水分が十分に吸収されないままになることが下痢の状態です。また、大腸から体内への水分吸収力が低下した場合や、大腸からの水分分泌が過多となる場合にも、腸の中の水分が異常に多くなって下痢につながることもあります。
症状が続いた場合
便秘が続くと、体と心にさまざまな症状が現れることがあります。便秘が解消すると共に、これらは良くなることが多いでしょう。
- 肌あれ・吹出物
- 血行不良による冷えやむくみ、月経不順
- イライラや不快感など精神的な不安
- お腹の張り・食欲低下
また、下記に該当する下痢の場合はすぐに医療機関へ相談ください。
- 激しい下痢が起こる
- 血便
- 吐き気や嘔吐、発熱をともなう
- 下痢止めの薬を服用しても、症状が悪化
日常生活で気を付けるべきこと
腸の健康のためには、生活習慣の改善が必要です。
食事 |
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睡眠 |
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環境 |
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嗜好品 |
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運動 |
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便秘と下痢を繰り返すのは「大腸がん」のサイン!?
「大腸がん」は早期段階では自覚症状がほとんどありませんが、進行すると血便がでたり、下痢・便秘を繰り返す、残便感、おなかが張るなどの症状が顕著になります。
厚生労働省の「令和2年(2020)人口動態統計」によると、大腸がんは女性のがん死亡数でもっとも多く、男性も肺がん、胃がんに次いで3番目に多くなっています。便秘と下痢を繰り返すのは、もしかしたら大腸がんのサインといっても過言ではないのかもしれません。
近年増加傾向にある「過敏性腸症候群」とは
便秘や下痢の症状があるときに考えられる疾患として、近年増えているのが過敏性腸症候群です。腹痛、お腹の不快感、便秘と下痢を交互に繰り返すなどの症状が表れます。原因ははっきり解明されていませんが、ストレスに主な原因があると言われています。
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早期発見のために「大腸がん検診」を活用
大腸がんは、早期で発見すれば高い確率で治るがんです。そして、検診を受けることが死亡率の減少につながる可能性が高いと、大腸がん検診の有用性も科学的に考えられています。
大腸がん検診には、便潜血検査や内視鏡検査があります。便潜血検査は、便に血液が混じっているかどうかを調べる検査です。一方、内視鏡検査は肛門から大腸カメラを挿入して大腸の粘膜の状況を直接観察し、大腸がん、潰瘍性大腸炎、大腸ポリープなどのリスクを調べます。
40歳以上であれば自治体の検診や職域検診を受診する機会もあることでしょう。タイミングを選ばず、自分のペースで受診を希望する場合には自費での検診も選択肢の一つです。
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まとめ|便秘と下痢を繰り返している人は放置せずに検診を受けよう
便秘や下痢の原因の多くは、環境の変化やストレス、食生活の乱れなどです。引き起こすメカニズムを知り、あらためて自身の生活習慣などを見直してみましょう。そして大きな病気が隠れている恐れもあるので、定期的に検診を受けてみることをおすすめします。