若い人も要注意!大脳白質病変って なに?

脳ドック

若い人も要注意!大脳白質病変って なに?

監修ドクター

この記事の監修ドクター

いのうえ内科脳神経クリニック 院長
井上 健

【略歴】
1990年 徳島大学医学部医学科 卒業

2012年7月 医療法人井上内科胃腸科医院 理事長就任
2012年8月 医療法人いのうえ内科脳神経クリニック 理事長就任

【資格】
日本神経学会認定 神経内科専門医

大脳白質病変とは

脳検査のイメージ

大脳白質病変の原因のひとつに慢性脳虚血性変化があります。血の巡りが悪くなり、脳の毛細血管に血液が流れず脳に変化した部分がある状態になり大脳白質病変がでてくることがあります。一般的には無症状ですが、程度が強くなると認知機能の低下(認知症)や生活能力の低下が生じ、脳血管疾患を発症するリスクが高くなると警告されています。

目次
  1. 大脳白質病変とは
  2. 原因は生活習慣病から
  3. 大脳白質病変の症状
  4. 大脳白質病変の診断・治療
  5. まとめ|脳血管疾患や認知症の発症予防には脳ドックが有効

原因は生活習慣病から

これまでは高血圧が要因となる高齢者の疾患と言われていた大脳白質病変ですが、近年は血圧が高くないにも関わらず、ストレスや睡眠不足を感じている若年層にも認められるようになりました。

加齢によって生じる変化だとされてきた大脳白質病変ですが、他にも原因があります。

高血圧は最大の危険因子

大脳の表面は、灰白質という神経細胞が集まっています。その灰白質の奥にあり、神経細胞の連絡路となっているのが白質です。

高血圧の状態が長く続くと、白質にはりめぐらされた脳の細い動脈が動脈硬化をきたします。細い動脈が自由に収縮しなくなると、酸素が不足するため周りの細胞が弱まります。その結果、血管から水分が染み出て、MRIなどでは白い斑点として映し出されます。これが大脳白質病変です。

生活習慣病の改善を図ることが大切

また、メタボリック症候群、痛風、喫煙、腎臓病など生活習慣病も、大脳白質病変の原因となることもわかっています。これまでは高血圧が要因となる高齢者の疾患と言われていた大脳白質病変ですが、近年は血圧が高くないにも関わらず、ストレスや睡眠不足を感じている若年層にも認められるようになりました。近親者に脳卒中の既往がある場合も要注意です。

将来の脳梗塞や認知症の発症を予防するためには、高血圧の管理を徹底するとともに、生活習慣病全般の管理を強化する必要があります。

  • ウォーキングなど適度な運動を毎日おこなう
  • 規則正しい生活リズムを整える
  • 禁煙をする
  • バランスのよい食事内容にする

大脳白質病変の症状

大脳白質病変は基本的に自覚症状がありません。しかし動脈硬化の影響を受け、加齢とともに脳の一部が変化します。そのため、症状がなくとも病変の変化を定期的に確認する必要があります。

とくに高血圧の人は要注意です。大脳白質病変がひろがり、神経細胞までやられてしまうと脳血管性パーキンソン症候群という状態になることがあります。このようなことがありますので、大脳白質病変があるかたで症状がないかたは定期的な脳ドックをおすすめします。症状があるかた、特に高血圧に合わせ、動作が遅くなったり、抑うつが現れたりと生活面での変化がでる場合はすぐに医療施設を受診しましょう。脳神経内科などに受診され、早期発見に努めることが重要です。

大脳白質病変の診断・治療

大脳白質病変はどのように診断されるのでしょうか。検査について解説します。

脳MRI・MRAを活用

大脳白質病変は、脳のMRI/MRAによる画像診断検査によって確認することができます。MRI検査では脳そのものの状態を観察し、脳腫瘍や脳梗塞・脳出血などの異常を見つけます。一方、MRA検査では脳および頚の血管を観察し、動脈瘤・狭窄・脳動静脈奇形などを見つけます。加齢で生じる変化と区別するためにも、MRI/MRA両方を組み合わせて検査することが推奨されています。

脳のMRI画像を撮った際に、断面画像の中で白色に見える細胞の隙間が大脳白質病変です。この隙間が多いほど程度が高いと評価されます。

高血圧の管理と生活習慣病の改善による治療

医療施設では、血圧が高い場合は、降圧治療をおこないます。また、大脳白質病変が見つかった場合、高血圧・糖尿病・高脂血症などの動脈硬化性疾患のみなおしを含め健康を継続するための生活習慣の改善が必要です。脳のMRI/MRA検査を1年に1回受診して安心するのではなく、病変の程度を把握し、出来るだけ進行させない生活習慣を確立していきましょう。

まとめ|脳血管疾患や認知症の発症予防には脳ドックが有効

脳ドックのイメージ

大脳白質病変は、加齢変化で病的な異常とはされません。ただし、若くして多数見つかった場合や変化が著しい場合などは、脳血管疾患になりやすいことがあります。加齢変化とあなどらずに、生活習慣を見直すきっかけになるとよいかと思います。このように脳ドックなどの検診は病期の早期発見のみならず病期の予防にも役立てていただけるとよいでしょう。