人間ドック
メンズドックとは|前立腺がんなど男性特有疾患を調べる人間ドックを解説
この記事の監修
「メンズドック」という言葉はあまり聞き慣れなれていない方も多いかもしれません。「メンズドック」に明確な定義はありませんが、一般的な人間ドックのコースに加え男性特有の病気、特に男性特有のがんにフォーカスした検査コースを意味します。
「メンズドック」の目的とわかる病気、検査内容や費用を把握し、今後の健康管理の参考にしてください。
- 目次
メンズドックとは?
メンズドックとは、男性特有の病気、特に男性特有のがんを調べる検査項目が含まれる人間ドックコースの総称です。一般的な人間ドックでわかるがんや生活習慣病などのほか、前立腺がんや前立腺肥大症の早期発見を目指す目的があります。
前立腺がんは初期には自覚症状がほとんどなく、進行した場合にはリンパ節や骨に転移が起こりやすいともいわれています。その意味でもできるだけ早く発見することが重要です。
医療機関によりますが、多々ある人間ドックコースのうちの1コースを「メンズドック」という名称で設定している場合が多く、例えばがんや生活習慣病の発見に役立つスタンダードな人間ドックに、前立腺の検査項目が加わったものを「メンズドック」と呼ぶことがあります。(ただし、全てのメンズドックに前立腺の検査が加わるわけではありません。どの検査が含まれるのかは医療機関により異なるため、事前に受診予定の医療機関に検査項目を確認する必要があります。)
【年代別】病気リスクの傾向|メンズドック受診の判断目安にしましょう
どんな人がメンズドックを受診すべきなのでしょうか。男性特有の病気についてのリスクを、年代ごとに確認していきましょう。
年代 | 病気リスク傾向 |
---|---|
20代 | 学生から社会人へと生活環境が大きく変化し、この年代の生活習慣が土台となって30代・40代へと大きく影響を及ぼ。近年は生活習慣病の若年化が進んでおり、特に糖尿病の予備軍に注意が必要です。 |
30代 | これまでの生活習慣の積み重ねが影響となって現れ、身体に何らかの異常サインが出始める時です。暴飲暴食、運動不足による肥満は、生活習慣病の1つである脳卒中を引きおこす動脈硬化を促進させます。またストレスが引き金となり、心筋梗塞を含む心疾患も発症しやすい年代です。 |
40代 | 肥満など生活習慣病が顕著になりやすい年代です。消化器系のがん、とくに胃がんは40代から急増します。また、近年は食生活の欧米化により前立腺がんも40代で増加しています。 |
50代 | 命にかかわる心筋梗塞や脳卒中が急増する年代です。また年齢とともにリスクが高くなる前立腺肥大症は、50代から増加すると言われています。 |
60代 | 老いが確実に進む年代です。病気のリスクが高まり、死亡率も高まります。三大疾病と呼ばれるがん・脳卒中・心筋梗塞はさらなる注意が必要です。 |
このように、年代によってさまざまな病気のリスクが考えられます。しかし万が一放置していた場合、合併症を発症したり、さらに重い症状へと進行する最悪のケースもあるでしょう。症状が軽い段階で病気に気付けるよう、メンズドックを役立てることが大切です。
一般的な人間ドックでは見つからない前立腺の検査項目
全身の健康をチェックし、がんや生活習慣病のリスクを早期に発見することが人間ドックの目的です。そのための検査項目として、基本的な身体測定、血液検査、胸部X線(レントゲン)検査、尿検査などを設定しています。
このような一般的な人間ドックには含まれない前立腺の検査は、医療機関によってオプションとして追加する、またはメンズドックのコースにて受診できます。前立腺の検査種類と特徴を以下の表にまとめました。
前立腺の検査項目 | 目的・検査内容、特徴 |
---|---|
PSA検査 (腫瘍マーカー検査) |
|
前立腺エコー検査 |
|
前立腺触診 (直腸内触診) |
|
上記検査項目はあくまでもスクリーニング検査です。万が一がんの可能性が判明した場合は、前立腺組織を採取して顕微鏡で確認する「生検」と呼ばれる確定診断が必要となります。
メンズドックの費用は4~6万円程度
一般的な人間ドックは30,000円から50,000円程度に対して、メンズドックは40,000円から60,000円程度です。人間ドックは健康保険の適用対象外のため、全額自己負担となりますが、加入している組合からの補助が出ることもあります。また、自治体によっては前立腺検査を実施している地域もあり、その場合は保険ではなく自治体の補助により格安で受診できる可能性もあります。
検査時間は約1時間から3時間程度です。人間ドックやメンズドックの検査内容によって費用や検査時間も異なるため、各医療機関に確認し、受診したい検査項目が設定されているコースを選択ください。
まとめ|男性特有の病気の早期発見にメンズドックを役立てよう
メンズドックは人間ドックの検査内容に加え、男性ならではの病気のリスクも一緒に調べることができます。前立腺がんや前立腺肥大症は自覚症状がないため、検査を受診しない限り発見されないでしょう。40歳を過ぎたら一度メンズドックの受診を検討し、男性特有の病気の発見に役立ててください。