心臓ドック

心筋梗塞・狭心症の検査方法や費用|心臓ドックは50歳が受診の目安

医療関係者のあいだでは、たとえ自覚症状がなくても「50歳を迎えたら1度は心臓の検査を受診すべき」という共通認識があります。その理由は、心臓病リスクが本格的に高まる直前の年齢にあたるためです。

今回は代表的な心臓病である狭心症・心筋梗塞について、予防するための心臓ドックの検査についてご紹介します。

目次
  1. 50歳は心臓病リスクが本格的に増える直前の年齢
  2. 狭心症と心筋梗塞
  3. 主な検査項目は「運動負荷心電図」や「血圧脈検査」など
  4. まとめ:発症する前に心臓のチェックを!

50歳は心臓病リスクが本格的に増える直前の年齢

厚生労働省が2019年3月に発表した『患者調査の概況2017』によると、心臓病の総患者数は173万2千人です。年代別では、50代半ば以上から本格的に増え、60代半ば以上では爆発的に増加しています。

心臓病 年代別 患者数統計グラフ:厚生労働省『患者調査の概況2017』より

それまで健康だった人が何らかの疾患を発症して24時間以内に死亡することを、医学的には「突然死」といいます。疾患名ではないため正確な統計はありませんが、日本では年間9~10万人が突然死し、そのうちの半数以上が、心臓病が原因といわれています。

そうした心臓病のなかでも、とくによく知られているのが、「狭心症」と「心筋梗塞」です。

2017年9月に発表された『人口動態統計』をみると、心筋梗塞で年間3万5千人、狭心症を含むその他の虚血性心臓病で年間3万4万人が亡くなっていることがわかります。

心臓の役割

心臓は1日に約10万回、ポンプのように脈を打っている臓器。心臓が動くためのエネルギーを供給する動脈血管が、心臓をかんむりのように覆っている冠動脈(かんどうみゃく)です。

心臓の主な仕事は、毎分60回から90回収縮して、酸素をいっぱいに含んだ血液を、ポンプの作用で体中に送り出すことです。1年で数えると、実に4200万回以上、収縮している計算になります。

狭心症と心筋梗塞

狭心症は、冠動脈などの心臓の血管の内側にコレステロールなどの脂肪分がたまり、血流が不十分になることで発症します。

主な症状は、階段を上がる時や急いで歩いた時などに、数分間の胸の痛みを感じます。痛みで目がさめる、夜明け方トイレに立った時や洗面の時に胸の痛みが起こるなどの症状もあります。

そのまま放置すると冠動脈がふさがって心筋梗塞を発症し、突然死に至る可能性もあります。

いっぽう心筋梗塞は、冠動脈が血栓(血液の固まり)によって完全にふさがり、その部分の細胞が壊死してしまう疾患です。

安静時・身体を動かしている時に関係なく、主な症状としては突然前胸部に激しい痛みが起こり、それが15分以上続きます。また、不安感、動悸、息切れ、冷や汗、めまい、脱力感を伴うこともあります。

狭心症と心筋梗塞を引き起こさないためには前段階で予防することが大切です。そして、その手段が人間ドックや心臓ドックとなるのです。

主な検査項目は「運動負荷心電図」や「血圧脈検査」など

狭心症や心筋梗塞のリスクを調べる検査項目は、健診施設や検査コースによってさまざまです。とくに有用かつ主な検査項目としては、次のものが挙げられます。

運動負荷心電図検査

狭心症による胸部の痛みが出やすい運動時の状況を、“再現”する検査です。

階段の昇降、ランニングマシンを歩くなどの運動によって心臓に一定の負担をかけつつ、その直後に心電図を記録し、心臓への影響を調べます。この検査は基本的な検査項目にたいてい含まれている「安静時心電図検査」と合わせて実施されます。

安静時と運動時の波形を比較し、運動時に誘発されやすい狭心症リスクを調べます。

心臓超音波検査(心エコー)

超音波を用いて、心臓の内部構造・機能・心臓の動き・弁膜の状態や血流に関する異常の有無などを調べる検査です。

超音波は、受診者の胸の上にあてる探触子(プローブ)から照射します。はね返ってきた超音波の情報によって、血液の流れる速度を測定する仕組みで、絶えず動いている心臓を調べるための代表的な検査です。

冠動脈CT検査(心臓CT検査、胸部CT検査)

CT(コンピュータ断層撮影)検査の一種で、X線を用いる検査です。

冠動脈の走行や、狭心症の原因となる血管の狭さ(狭窄度)、血栓の有無などを調べます。ただし、撮影時に造影剤を注射する必要があります。

心臓MRI検査

MRI(磁気共鳴画像撮影)検査の一種で、電磁気を用いる検査です。冠動脈CTと同様、冠動脈の走行や血管の狭さ、血栓の有無などを調べます。

CTと異なり、造影剤を用いる必要がないのが利点ですが、CTに比べて撮影に時間がかかります。

心臓MRI検査を設定している健診施設や検査コースは、現状ではあまりありません。設定がされている場合は、心臓の検査に注力していることを示す目安といえます。

血圧脈波検査(CAVI、PWV、ABI)

心臓病の危険因子となる動脈硬化を調べる検査です。

受診者はあお向けに寝た状態となり、両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。CAVIとPWVは動脈の硬さを表わす指標、ABIは末梢動脈の“つまり具合”などを示す指標です。

心臓の検査を重視して健診施設や検査コースをさがす際、心臓超音波検査などに加えて血圧脈波検査が設定されているのであれば、重要なポイントになるでしょう。

健診施設や検査コースによって多様ですが、おおよそ次のとおりです。

【心臓ドック】

■受診費用 4~5万円代
■検査時間 3時間ほど
■検査結果 通常、数週間後に郵送で届く。

まとめ:発症する前に心臓のチェックを!

狭心症・心筋梗塞の危険因子としては、喫煙、糖尿病、肥満、運動不足、脂質異常症などが知られています。発症の引き金となるトリガー因子は、過度の疲労、睡眠不足、ストレスなどがあります。

とくに要注意なのは、精神的なストレスです。具体的には、抑うつ、不安神経症、社会的支援からの孤立、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などがあります。

会社員であれば、毎月のノルマ達成に追われるプレッシャーや、長年連れ添った配偶者に先立たれるなどのケースがそれに当てはまるでしょう。

営業マンとして多忙な日々を送っていた男性が長年連れ添った妻に先立たれた。これは、精神的なストレスの典型的なケースです。

また、2011年の東日本大震災や1995年の阪神淡路大震災、2001年に米国で起きた同時多発テロ事件などの災害後も、PTSDと心臓病の増加の関連が報告されています。

心臓病は、がんに次ぐ死亡原因であり、突然死の原因としても半数以上を占めていること。そして、心臓病の3分の1以上が狭心症・心筋梗塞であること。

これら2つの事実を踏まえると、心臓病の発症が本格的に増える50代半ば以上になる前の50歳を迎え時に心臓ドックを受診することは、理にかなっているといえるでしょう。

とくに、危険因子やトリガー因子に該当するような生活習慣の乱れが思い当たる人、階段を急いで登ったときなどになんとなく胸が痛むような気がしている人などは、できるだけ早く受診してください。

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