尿検査のひとつで、尿中のたんぱく質の量を調べます。基準値は、陰性(-)です。
健康な人の尿中にも微量なたんぱく質が排泄されています。この検査では試験紙法と呼ばれる定性検査で、健康な人で排泄されるたんぱく質よりも多く尿中にたんぱく質が含まれる場合に陽性(となります)。陽性の程度も何段階かあり、弱陽性(±)、陽性(1+)、強陽性(2+)のように多段階で結果が表わされます。
検査結果の見方、考えられる疾患
陰性(ー)が正常、陽性(+)が異常です。
陽性(+)でも疾患の場合とそうでない場合があります。病的でないたんぱく尿は機能的(生理的)たんぱく尿と呼ばれます。病的なたんぱく尿は1.腎前性2.腎性3.腎後性の3種類に分けられます。
1.腎前性たんぱく尿は腎臓に異常がなく、感染症や腫瘍により血液中のたんぱく質が増えすぎてしまい、その結果尿中のたんぱく質も増えてしまう状態です。
2.腎性たんぱく尿は腎臓自体が障害され、腎臓の濾過機能に問題が生じることで、尿中のたんぱくが増えてしまう状態です。
3.腎後性たんぱく尿は腎臓の後の尿の通り道である尿管、膀胱、前立腺などの腫瘍や炎症、結石などが原因で尿中に血液や粘液などが混入してしまい、それらがたんぱく質として検出されてしまう状態です。
病的でないもの | 病的なもの | |
---|---|---|
尿たんぱく 陽性(+) |
激しい運動や入浴後、起立している状態、妊娠、精神的ストレス、精液や腟分泌物の混入 | 1.腎前性 多発性骨髄腫、溶血性貧血、膠原病、心不全など 2.腎性 急性・慢性腎炎、ネフローゼ症候群、アミロイド腎、カドミウム中毒、ビタミンD中毒など 3.腎後性 膀胱・前立腺・性器の炎症、膀胱・前立腺の腫瘍、膀胱・尿管結石など |
注意点
起立性たんぱく尿や運動や入浴によって尿たんぱくが多く出てしまうことを防ぐために、朝起きて一番の尿を採取するように心がけましょう。