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呼吸器の機能を測定することで、換気機能の状態を調べる検査です。

呼吸により肺から出入りする空気の量を測って、肺の容積や気道が狭くなっていないかなど呼吸の能力をチェックし、拘束性肺機能障害、閉塞性肺機能障害(COPDなど)などについて調べます。計測値によってどのようなタイプの呼吸の障害があるのかを調べるのです。

まず鼻をクリップでとめて、鼻から空気が漏れないようにします。そして、計測器とホースでつながったマウスピースを装着し、通常の呼吸を繰り返した後に、思いっきり吸ったり、勢いよく吐いたりして肺活量や1秒間にどの程度息を吐き出せるかなどを計測していきます。

計測項目

スパイロメトリーで計測する主な項目は次のとおりです。

<肺活量>
空気を胸いっぱいに吸い込みそれを全て吐き出した時の空気の量(基準値は、年齢・性別・身長などによって異なりますが、多すぎても少なすぎてもいけません)

<%肺活量>
年齢・性別から算出された予測肺活量(基準値)に対しての、実測肺活量の比率。

<努力性肺活量>
胸いっぱいに息を吸い込み、勢いよく一気に吐き出した空気の量。

<1秒量>
努力性肺活量のうちの最初の1秒間に吐き出した空気の量。

<1秒率>
1秒量を努力性肺活量で割った割合(%)。

こうした項目のなかでもとくに重要なのが「1秒率(FEV1.0%)」と「%肺活量(%VC)」です。

%肺活量(%VC)は、年齢や身長から予想される平均的な肺活量に対して自分の肺活量がどの程度なのかを相対的に表す数値です。平均と同じなら100%です。平均より2割引以下、つまり80%以下となると異常とされます。逆に呼吸の能力の高い方は100%以上にもなります。

1秒率(FEV1.0%)は勢いよく息を吐き出したときに、一気にはき出した息の量のうち、最初の一秒でどの程度はき出すことができたかを表します。息の通り道がどこかで狭くなっている場合(閉塞がある場合)、最初の1秒ではなかなか吐き出すことができず、ゆっくりしか吐き出せなくなります。このような場合、1秒率(FEV1.0%)は低下します。1秒率(FEV1.0%)については70%を下回ると異常とされます。

拘束性障害と閉塞性障害

肺機能の障害には拘束性障害と閉塞性障害と両者が同時に存在する混合性障害があります。1秒率(FEV1.0%)と%肺活量(%VC)で以下の図のように分類します。

拘束性障害と閉塞性障害

<拘束性障害>
%肺活量(%VC)が80%以下となった場合が拘束性障害となります。肺が広がりづらくて息を十分に吸い込めない状態です。間質性肺炎、じん肺、古い胸膜炎、筋肉や神経の異常などがあると、このパターンを示します。

<閉塞性障害>
1秒率(FEV1.0%)が70%以下となった場合が閉塞性障害となります。息を吐き出しづらくなっている状態です。気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、COPDなどがあると、このパターンを示します。

<混合性障害>
拘束性障害と閉塞性障害が併存している状態です。

最近では比較的進行した肺気腫でもスパイロメトリーでまったく異常を示さないものがあったり、肺気腫と間質性肺炎が合併しているケースなどもまれではないことがわかってきています。スパイロメトリー単独で特定の疾患を診断できるものではなく、胸部CT検査など他検査とも合わせた総合的な評価が必要です。