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脳ドックは、脳血管疾患(脳卒中)リスクを早期に見つけることを目的とする検査コースの総称です。多くの健診施設で採用されています。実施される検査は、頭部MRI(磁気共鳴画像撮影法)検査と頭部MRA(磁気共鳴血管撮影法)検査が中心です。頭部MRI検査は主に潜在する脳梗塞・脳出血の有無を、頭部MRA検査は主に未破裂脳動脈瘤(くも膜下出血=出血性の脳卒中を引き起こす)および脳動脈の閉塞や狭窄をチェックします。

さらに、脳血管疾患全般の発症原因となり得る動脈硬化の進行度をチェックするため、頸動脈超音波(エコー)検査や頸部MRA検査も同時に実施する検査コースもあります。頸動脈は、全身の血管のなかでも動脈硬化が起きやすいとされており、心臓をはじめ全身の動脈硬化を調べることにつながります。

受診費用

脳ドックの費用はおよそ2〜5万円

施設やコースによりますが、脳ドックの費用はおよそ2〜5万円が相場です。どの検査を選ぶかによって費用は大きく変わってくるため、どのコースが適切かは受診予定の医療機関に問い合わせてみるとよいでしょう。

基本コースは、2〜3万円程度の受診費用で受けることのできるコースです。脳ドックの主な検査は、MRI/MRA検査と頸動脈エコー検査です。MRI検査は脳実質(脳そのもの)を調べる検査で、対してMRA検査は脳血管(特に脳動脈)を調べる検査です。

頸動脈エコー検査は、頸動脈と呼ばれる脳に血液を送る首の血管が狭くなっていないかなどを調べることができます。

精密検査コースは、4〜5万円程度の受診費用で受けることのできるコースです。施設によっては、前述のMRI/MRA検査、頸動脈エコー検査に加えて、血液検査や心電図検査、簡易認知機能検査などを加えたコースもあります。また、検査結果を郵送ではなく、専門の医師から受けられる場合もあり、より具体的な生活指導や病気のリスクの説明などを受けることができるでしょう。

検査の必要性

30歳を過ぎたら脳ドックの受診を

脳血管疾患は日本人の死亡原因の第3位で、発症すると要介護になりやすく、高齢者に多いと認識されている疾患です。中高年以上が気をつける疾患だというイメージを持つ方も多いと思いますが、実は若い年代で脳血管疾患を発症する人が増えています。

30歳を過ぎると脳血管疾患のリスクが徐々に増え、40代から50代、60代と年齢が高くなるごとに脳血管疾患は起こりやすくなります。まずは、30歳を過ぎたら脳ドック受診を検討することをおすすめします。

検査内容

施設や受診コースによって異なる

検査項目は、MRI検査とMRA検査があります。MRI検査は潜在する脳血管疾患を発見することを目的に、脳の断面画像を得て脳の実質を検査するのが一般的です。

一方、MRA検査は脳血管疾患のリスク発見を目的とし、脳血管を立体画像化し、脳の血管(動脈)および頸動脈を検査します。多角的に調べるため、医療機関によってはMRI検査とMRA検査を組み合わせたコースやオプションとして設定されていたり、CT検査や頸動脈超音波検査が実施されるケースもあり、施設や受診コースによって異なります。

身体測定(身体計測) 身長・体重・BMI(体格指数)・腹囲測定を行います。
血液検査 肝機能、腎機能、脂質、糖代謝、貧血の有無などを調べます。
血圧測定(血圧脈波検査) 最高、最低血圧ならびに脈拍数等を測定します。
尿検査 尿を取り、尿中の糖・蛋白・潜血の有無を調べます。
頸動脈エコー検査(頸動脈超音波検査) 全身の動脈硬化の指標となる検査で、将来の脳梗塞や心筋梗塞の危険性を予測します。
眼底検査 緑内障および網膜剥離などをチェックするために行われますが、眼底の高血圧性変化、糖尿病性変化も確認できます。
心電図 安静時・負荷時・24時間の状況に応じて心臓の動きに違いがあるかを調べます。
MRI(磁気共鳴画像撮影法)/MRA(磁器共鳴血管撮影法) 強力な磁気を利用して頭部の断層図を撮影します。MRIでは頭部の断層写真、MRAでは脳血管の立体画像を撮影します。

MRIでは、脳の形がしわの一本一本まで見られます。検査時間は約30分程度です。大きな音がする狭い空間にじっとしていないといけないので不快に思う人もいらっしゃるかもしれませんが、痛みはありません。また、被ばくの心配もありません。

MRIを受ける注意点は、磁気の共鳴で撮影するので「金属元素」があると磁気が影響を受けます。一見「金属」とわかるものだけではなくて「金属元素」に注意が必要で、化粧品・アートメイク・ネイル、その他にも入っている可能性はあるので、検査当日はなるべく男女ともに化粧をせずに検査を受ける必要があります。磁石に付くようなもの、磁力の影響をうけるものを身につけていたり、肌に塗っていたりすると、画像が乱れて検査に支障をきたすだけでなく、磁力で引っ張られて「かなり痛い思いをする」あるいは「焼けど」をすることもあり、また、MRI装置に金属が磁力で引っ張られて、飛んだり、装置に貼りついたりするので大変危険です。

予約〜検査

脳ドック検査前日

問診票作成・準備

脳ドックは体内や体表に金属および金属元素があると危険を伴うため検査できません。心当たりのある人は問診票に記載し、わからない場合は事前に施設に問い合わせましょう。

食事制限のある検査項目がいくつかあるため、前日は21時までに食事を済ませましょう。

21時を過ぎたら水などカロリーのないもののみにして、それ以外を口にするのは避けましょう。

当日午前中に受ける検査内容により水分の摂取も制限されることがあります。事前に確認しましょう。

当日に便や尿の提出を指示されているときは、尿なら朝一番の尿、便もできれば当日か無理なら検査日に近い日にとったものを持参しましょう。

脳ドック検査当日

受診 検査着はほとんどの施設で用意してくれているので、当日は脱着のしやすい服装で出かけましょう。 メガネやコンタクトレンズ、アクセサリーをお持ちの人は検査中は、はずしますのでなくさないようにケースなどを持参しましょう。
時間 撮影時間は20分〜60分前後(検査項目が多く、宿泊を伴う場合もあります)

脳ドック検査終了後

時間 2~3週間後に郵送
※受診クリニックによって検査結果期間・結果報告方法は異なります。

選び方

MRI検査、MRA検査でわかること

MRI検査やMRA検査には、それぞれ早期発見しやすい脳卒中リスクの種類があります。

頭部MRI検査は脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の潜在を発見するのに有用で、頭部MRA検査は、脳梗塞の原因になる「動脈の狭窄」やくも膜下出血の原因となる「未破裂脳動脈瘤」といった脳卒中のリスクを発見するのに有用です。

つまり、頭部MRI検査/頭部MRA検査をセットで受けてこそ脳卒中の潜在やリスクを調べることができるのです。そのため、脳ドックの多くは頭部MRI検査/頭部MRA検査をセットで設定しています。

脳梗塞のリスクを調べるために、頸動脈を検査することも

虚血性脳卒中である脳梗塞は、頚部の動脈の狭窄や閉塞が原因で生じることもあります。そのため、脳ドックに「頸動脈超音波検査(エコー検査)」や「頸動脈MRA検査」が検査項目に追加されている場合もあります。

一種の老化現象とも言える動脈硬化は、すべての脳卒中に関するリスク要因、いわば、あらゆる脳卒中の前段階です。頸動脈超音波検査や頸動脈MRA検査では、心臓と脳の間の頚部を走行する頸動脈の動脈硬化の程度を調べることで、脳卒中リスクの早期発見に役立ちます。

脳ドックが受けられないケース

MRI装置は、強力な磁気の共鳴によって撮影する機械なので、金属に反応してしまうと検査に支障が出る場合や、安全に実施されない恐れがあります。そのため、金属製のペースメーカーなどが体内に入っている人や、刺青(タトゥー)のある人は検査を受けられないことがあります。

また、大きな音がする狭い空間でじっとしていなければならないため、人によっては心身に負担を感じることから、閉所恐怖症や妊娠中・妊娠の可能性がある人も受診できないケースがあります。

ほかにも、義歯、補聴器、コンタクトレンズ、化粧、アートメイク・ネイル・湿布等にも金属が含まれている可能性がありますので、検査前・検査当日はできるだけ気をつけるようにしましょう。

この記事の監修ドクター

三島総合病院:青柳 昌樹

【略歴】
1979年 東京医科歯科大学 卒業

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