子宮がんは、子宮頸がんと子宮体がんの2つに分類されます。この2つは同じ子宮がんです。しかし次のとおり、その特長には大きな違いがあります。
子宮体がん | 子宮頸がん | |
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患部 | 子宮体部 | 子宮頸部 |
罹患率の高い年代 | 50代~60代 | 20代以降で、比較的若い年代から罹患 |
罹患者の傾向 | 妊娠・出産経験がない人 動物性脂肪を多くとる人 肥満体の人や高脂血症の人、糖尿病の人 |
性交渉の人数が多い人や出産回数が多い人、性交渉をはじめた年齢が低い人など |
また、検査の手法も大きく違います。子宮頸がん検査の場合、膣から子宮頸部は近いため、肉眼で細胞を採取することができます。この場合は簡易な検査であり、痛みや不快感はほとんどありません。一方、子宮体がん検査の場合、さらに奥の細胞を採取するため、細胞診で痛みを生ずることがあります。
実際の子宮がん検査では、内診と細胞診にあわせて子宮超音波検査を併用するケースが多々あります。この超音波検査には、「経腹超音波検査」と「経膣超音波検査」の2種類があります。その概要は次の通りです。
経腹超音波検査は、腹部の上から広い範囲の検査が可能です。ただ、尿をためておくことが必要なため、脂肪や筋肉が検査の妨げになる場合があります。
経膣超音波検査では、プローブ(超音波を発生する探触子)を膣内にそう入します。子宮や卵巣のより鮮明な画像を得ることが可能ですが、超音波が当てられる範囲が限られますので、膣から遠くなるほど検査が難しくなるという欠点があります。