がんリスクを調べるPET-CT検査|PET検査との費用・精度の違いとは

PET検査

がんリスクを調べるPET-CT検査の基礎知識|PET検査との違いとは

理事長:済陽 高穂 先生

この記事の監修ドクター

西台クリニック 院長
済陽 高穂

全身に起こりうる病気でもあるがんは、罹患(りかん)する部位ごとにリスクを調べるさまざまな検査があります。なかでも、ほぼ全身のリスクを一度に調べられる検査があります。それが、PET-CT検査です。

PET-CT検査とは、がんの特性を利用したPET検査とエックス線による画像検査であるCT検査を組み合わせた検査のこと。同じ機器で一度に両検査を実施でき、診断の精度を上げられる点がメリットです。

今回は、通常のPET検査との違いにも触れながら、PET-CT検査の基礎知識について解説していきます。

目次
  1. PET-CT検査とは?
  2. PET-CT検査で見つけやすいがん・見つけにくいがん
  3. PET-CT検査を受診する上での5つの注意点
  4. まとめ:PET-CT検査の受診はWeb予約から

PET-CT検査とは?

PET-CT検査イメージ

PETとはPositron Emission Tomography(ポジトロン・エミッション・トモグラフィー)の頭文字をとったもので、主にがんのリスクを調べる検査です。

がん細胞の持つブドウ糖を取り込む性質を利用し、18F-FDGと呼ばれるブドウ糖に似た薬を注射してからがん細胞がその薬を取り込む様子を撮影して、がんを発見します。主に肺がん、乳がん、食道がん、大腸がんなどといった多くのがんの発見に役立ちます。

一方で、膀胱など18F-FDGを排出してしまう臓器や、がんに罹患していないにも関わらず18F-FDGに反応してしまう臓器に生じるがんなどは、PET検査で見つけにくいという特徴もあります。もともと血糖値が高い体質の方はPET検査で正確な検査結果を得られない場合もあり、これらはPET検査のデメリットといえるでしょう。

このデメリットを解消するために、PET検査とセットでMRI(磁気を用いて体の断面を撮影する検査)や内視鏡、血液検査、CT検査(エックス線を用いて体の内部を撮影する検査)などを行うことがあります。PET-CT検査とは、このうちの「PET検査×CT検査」で、高い精度でPET検査単独では見つけられないがんを発見することができます。

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PET-CT検査で見つけやすいがん・見つけにくいがん

通常のPET検査はがん細胞の特性を利用してがん細胞に目印をつけることでがんを見つけますが(※)
※がんが1cm以上であればPET検査で見つけられる可能性があります。

PET検査は、甲状腺がんや大腸がんなどの発見は得意ですが膀胱がん、前立腺がんなど泌尿器のがんは不得意です。

また、胃がん(特に早期の胃がん)は胃内視鏡検査(胃カメラ)のほうが、肺がんは、CT検査のほうが見つけやすいと言われています。

PET-CT検査では同時にPET検査とCT検査を受けられることから、両者の得意・不得意をカバーしあってより診断の精度が高まります。

■PET-CT検査で発見しやすいがん

  • 甲状腺がん
  • 大腸がん など

■PET-CT検査で発見しにくいがん

  • 膀胱がん
  • 前立腺がん など

■他の検査の方が発見しやすいがん

  • 胃がん(胃カメラ)
  • 肺がん(CT検査) など

PET-CT検査を受診する上での5つの注意点

PET-CT検査を受診する上での5つの注意点

PET-CT検査を受けるにあたって、注意すべき点が5つあります。

注意点1)検査の5時間前からの絶食

検査時間の5時間前から絶食してください。飲み物は、水などは飲めますが糖分を含むもの(ジュースやスポーツドリンク、牛乳)やお酒は飲めません。

注意点2)受診時間の厳守

PET-CT検査のうち、PET検査で使われる薬は、薬の効果を維持するために検査時刻に合わせて調整されます。受診時間を守り、やむをえず遅れる場合は受診先の医療機関に必ず連絡しましょう。

注意点3)薬(18F-FDG)の注射後の安静

PET-CT検査のうち、PET検査で使われる薬(18F-FDG)を注射後は、全身に薬を行き渡らせるため1時間の安静が必要です。その間に歩きまわったり話したりするだけでも、動かした筋肉へ薬が集まってしまいます。読書や音楽を聴くことも診断に影響があるため、専用の部屋で目を閉じてなるべく動かないようにしましょう。

注意点4)放射線半減までの過ごし方

PET検査で使われる薬(18F-FDG)に含まれる放射線の半減時間(放射線量が半分になるまでの時間)は約110分です。薬を早く排泄するために、水分(水、白湯)は多めにとりましょう。検査後はもちろん、検査前も500mlをめやすに摂取します。

注意点5)その他

検査前の食事制限などを行わなかった場合や血糖値が高い場合(150mg/dl以上)は正確な診断ができないことがあります。また、検査前や検査中に低血糖が生じた場合は検査が中止になるため、糖尿病治療をしている方は事前に主治医と相談してください。

PET検査ではごく少量の放射線被ばくがあるため、妊娠の可能性がある場合は検査の受診を控えましょう。喘息や腎臓病の患者さんは、CT検査は検査で使われる造影剤が症状に影響することがあるため、受けられないことがあります。あらかじめ医師に相談してください。

PET-CT検査の機器は狭いため、閉所恐怖症の人や検査後の安静が難しい場合は、検査ができない場合があります。

まとめ:PET-CT検査の受診はWeb予約から

WebでPET-CT検査を予約する

PET-CT検査は、今回お伝えしたように、PET検査とCT検査を同時に受けられ、より精度が高くがんを見つけることができる検査です。日々の健康管理に役立てるためにも、まだ検査を受けたことがない場合は受診を検討してみてもよいでしょう。

なお、PET-CT検査は、全ての医療機関で受けられるものではありません。まずはお近くのエリアからPET-CT検査を実施している医療機関を検索してみましょう。検査コースや料金を比較しながら、ご自身にあった施設が見つかったらそのままWeb予約もできて便利です。

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