人間ドック

すぐおさまる腹痛を放置していませんか?定期健診で不安を解消!

監修ドクター

この記事の監修

日野市立病院 

普段からお腹が痛くなることが多い、気づけばなぜか同じ位置ばかり痛む、生理中でもないのに下腹部に痛みや違和感……ということはありませんか?たとえすぐ軽快したとしても、放置することで重症化したり、今後の生活に影響を及ぼす恐れもあります。

今回は腹痛からくる恐れのある疾患例と共に、受けるべき検査の概要をご紹介します。あの時の痛みが引き金に……と後悔することのないよう、定期健診で不安を解消しましょう!

目次
  1. 腹痛をきたす疾患|良性疾患から悪性疾患まで
  2. 不安は放置せずに医師に相談を!受けるべき検査と概要
  3. まとめ|腹痛が気になったら検診を活用しましょう

腹痛をきたす疾患|良性疾患から悪性疾患まで

腹痛で苦しむ女性

腹痛をきたす疾患には、急性胃腸炎、急性虫垂炎、尿管結石、胆石胆嚢炎、総胆管結石、急性膵炎、子宮外妊娠、膀胱炎などの良性疾患から、胃癌、膵癌、大腸癌、子宮体癌などの悪性疾患も含まれます。お腹の調子が悪いとき、腹痛などの症状に突然襲われてしまったとき、私たちは何かしらの身体の異常に対して恐れ、不安になります。

腹痛をきたす疾患はこのように種類が多く、すぐには特定できない場合もあります。しかし普段から健診を受けておくことで病変部位を絞ることが可能となり、診断までの時間を短縮することができます。たとえば胃カメラや大腸ファイバー検査を毎年実施している方なら、上部消化管や下部消化管の悪性疾患が疑われる確率は低いため、原因特定のための検査について一部を除外できるでしょう。

不安は放置せずに医師に相談を!受けるべき検査と概要

腹痛の不安要素を取り除くためにも検査を

さまざまな要因が考えられる腹痛は、痛みを我慢してストレスになればさらに重症化することも考えられます。不安要素を取り除くためにも検査を受けてその原因や要因を絞り込み、改善へ向かう手立てを探りましょう。

【腹部の検査の種類と概要】

検査の種類 概要(検査内容)
便潜血検査 大腸内にがんやポリープができていると患部から出血するため、便を採取して調べ、血液が混ざっていないかをチェックします。
上部・下部消化管内視鏡検査(胃・大腸カメラ) 上部消化管内視鏡検査では食道・胃・十二指腸を胃カメラで観察して、がんやポリープなどの病変がないかを調べます。下部消化管内視鏡検査は肛門部・大腸・盲腸などを大腸カメラで観察して、上部消化管同様にがんやポリープなどの異変がないかを調べます。
腹部骨盤部超音波検査 腹部臓器と骨盤内臓器を、超音波(エコー)を用いて観察します。体の表面から超音波を当てて、体内の臓器や組織に跳ね返った音を画像化して観察するため、痛みが少なく被ばくの心配はありません。
腹部骨盤部CT検査 腹部臓器と骨盤内臓器を、CT装置を用いて観察します。X線で体の断面を撮影する検査方法で、腹部臓器では肝臓がん、腹部・骨盤部臓器の各がん疾患や、肝硬変、胆石、胆嚢炎、膵炎、大動脈瘤などの発見に有用です。
腹部骨盤部MRI検査 腹部臓器と骨盤内臓器を、MRI装置を用いて観察する検査方法。磁気を利用することで体内を画像化し、病変の発見に役立てます。狭い装置内で20分~40分ほど検査を行うため、閉所恐怖症の人などは受診が難しいケースもあります。

*腹部臓器:肝臓・胆のう・すい臓・腎臓・脾臓など
*骨盤内臓器:膀胱・前立腺・子宮・卵巣など

婦人科の検診をまとめて行う「レディースドック」に注目

婦人科系の疾患リスクを一度に調べたい場合は「レディースドック」がおすすめです。レディースドックとは、スタンダードな人間ドックの検査項目に、乳がん検診・子宮がん検診といった婦人科検診を加えた検査コースのことを指します。

体のどこが痛いのか、またその痛みの種類によっても受ける検査は異なります。一度にいろいろな部位の健康状態を調べたい時には、部位ごとに分けて検査を受けるよりも、人間ドックやレディースドックでまとめて検査を行う方が効率的といえるでしょう。ただし、検査内容によっては放射線を使用するものがあるので、受診前は現在の体調や健康状態、妊娠の可能性有無を医療機関に伝えておくようにしましょう。

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まとめ|腹痛が気になったら検診を活用しましょう

毎年の定期健診を活用しましょう

苦痛に思って医療機関に駆け込む勇気ある人もいれば、そのまま放置してとんでもない結果になる人もいるでしょう。どんなに屈強な人であっても、必ず病気や怪我に遭遇します。でも、殆どの不安は定期健診で解消されますので恐れる必要はありません。健診で身体に異常がないことを確認できてさえいれば、何らかの症状を自覚しても致命的重大疾患ではない、大丈夫だと自信を持って医療機関を受診できるはずです。

毎年の定期健診こそが、腹痛を放置させない、精神的不安を引き起こさない、身体的自信を生み出す原動力であることをご理解ください。

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気になる腹痛のある人や下腹部に痛みを感じることがある人は、レディースドックでの検診がおすすめです。

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