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レントゲン(エックス線)検査での被ばくの影響は?子供や妊娠中の検査は大丈夫?

エックス線検査に被ばくの影響がある、と聞くと不安に思う人は多いことでしょう。しかし、被ばくのリスクがあるから検査をしないと思う裏には、より恐ろしく辛い疾患が潜んでいるかもしれません。

そこで、エックス線検査について正しい知識を身に付け、必要な検査を自分で選択できるようにしましょう。この記事では、エックス線検査の安全性や受ける際の注意点を紹介します。

目次
  1. エックス線(レントゲン)検査が体に及ぼす影響
  2. 妊娠中の女性や子どもが受けても安全?
  3. エックス線検査を受ける際の注意点
  4. 被ばくを最小限に抑える方法はある?
  5. まとめ|被ばくの影響は少ない!リスクだけにとらわれず、必要な検査は受診をしよう

エックス線(レントゲン)検査が体に及ぼす影響

エックス線(レントゲン)検査のイメージ
エックス線(レントゲン)検査とはエックス線=放射線を使って、疾患や怪我の正しい診断や治療の進行に役立てるものです。なかなか意識されにくいですが、実は日常生活の中にも放射線は存在します。

【身の回りの放射線】

放射線 被ばく量(Sv:シーベルト)
宇宙から 年0.3mSv
東京~ニューヨーク飛行機旅行(往復) 0.11~0.16mSv
胸部エックス線(レントゲン)検査1回 0.06mSv
胸部CT検査1回 2.4~12mSv

出典参考:環境省 放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト「身の回りにある放射線」

身体への健康影響があるのは200mSv(ミリシーベルト)以上の被ばくだと考えられています。しかし、日常生活で受ける1回当たりの放射線量は1mSv(ミリシーベルト)以下のものがほとんどであり、はるかに少ない量であることがわかります。

エックス線検査を何度も受けても大丈夫なのか

放射線は人体の細胞に傷をつけたり、死滅させたりする働きがあります。受けた部位によっても身体への影響は異なりますが、この働きによって、下痢や嘔吐・がん・脱毛など身体的影響(被ばくした本人に現れる影響)と、生殖細胞の突然変異など遺伝的影響(被ばくした人の子孫に現れる影響)が生じる恐れがあると考えられています。

確かに何度もエックス線検査を受けることで、これらのリスクが高まる恐れはゼロではありません。しかし、医師の判断のもとに行われる適切な医療行為であり、検査によって疾患リスクを知るメリットの方が大きいといえるでしょう。

基本的に、通常の検査で受ける放射線の被ばく量は少ないため、身体的に影響が及ぶことはありません。また、場合によっては治療としてエックス線検査が何十回にもおよぶ人もいます。検査の回数が多くなるほど放射線被ばくによる影響が心配になるかもしれませんが、検査機会が多くなる胸部X線撮影による被ばく量はとても少ないため、その影響を心配する必要はありません。

妊娠中の女性や子どもが受けても安全?

妊娠中の女性や身体の小さい子どもがレントゲン検査を受けても安全?

では、妊娠中の女性や身体の小さい子どもにも影響はないのでしょうか。

妊娠中の女性

  • 大量の放射線を被ばくした場合、流産・奇形・知能障害などの恐れも考えられるが、通常のエックス線検査での被ばく量は少なく胎児への影響は低い(ただし、妊娠中は検査不可な医療機関が多い)
  • 妊娠に気付かずエックス線検査を受けても被ばくの心配はない(中絶の必要はない)

新生児・幼児

  • 子どもの放射線感受性は大人よりも高いが、身体が大人より小さい分だけ検査に必要なエックス線量も少ない
  • 皮膚表面線量が小さくなるので、エックス線による影響を心配する必要がない
  • 大人が子どもに付き添う場合、不必要な放射線を防ぐプロテクタの着用によりほとんどの被ばくが防げる

このように安全性は確認されていますが、検査についての不安点は必ず受診先の担当者・医師などに伝え、確認しましょう。

エックス線検査を受ける際の注意点

エックス線検査を受ける際の注意点
エックス線検査を受ける際、以下の留意点を事前に確認しましょう。場合によっては受診ができない可能性もあるので、検査担当者・医師への正しい申告と理解が大切です。

  • 妊娠中または妊娠の可能性
  • アレルギーや危篤な甲状腺疾患がある人など造影剤の使用できないケース
  • 心臓ペースメーカーなどを身に付けていること
  • 薬を服用している
  • 検査時に体位変換の場合があること
  • 受診前の食事や飲酒などの制限

被ばくを最小限に抑える方法はある?

エックス線の被ばくを最小限に抑える方法は?

被ばくを最小限に抑える方法はとくにありません。しかし、子どもの体の大きさや厚みを判断し、なるべく低い線量で撮影をするよう工夫している国もあります。まずは、エックス線検査によるリスクを理解しましょう。

現代は医療の発展も進み、小さな病変でも発見できるようになり、完治する可能性も高くなりました。いっぽう、疾患リスクが見つからなかった場合でも、不調を感じていた箇所の心配は必要ない、と安心材料にもなることでしょう。

疾患が見つかった時にはすでに遅い、ということも少なくありません。正しい知識を身につけ、健康管理・予防医療の観点から必要な検査として認識しておきましょう。

まとめ|被ばくの影響は少ない!リスクだけにとらわれず、必要な検査は受診をしよう

エックス線検査は、疾患やけがの早期診断や治療になくてはならないものです。しかし、被ばくの問題を考えると、やみくもに受けることが正しい判断とも言い切れません。

しかし、エックス線検査だからこそわかる疾患も多くあります。被ばくのリスクだけにとらわれることなく、必要に応じて最小限の検査を判断できるようにしましょう。そして、少しでも不安な点があれば、医師に相談したうえで受診しましょう。

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