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乳がんは女性の部位別がん罹患数で1位

乳がん

女性にとって乳がんは、死亡数で上位、罹患数では1位のがんです。国立がんセンターの統計によると、2016年における女性の部位別死亡数は(大腸、肺、すい臓、胃の各がんに続く)5位であり、2013年における女性の部位別罹患数では(大腸、胃、肺の各がんを上回って)1位でした。また、厚生労働省が2017年9月に公表した「2016年 人口動態統計(確定数)」によると、乳がんによる死亡数は1万4,132人。その99%は女性で、1万4,015人(男性は117人)でした。

乳がんは、とくに自覚症状がなくとも、乳がん検診を受診した際に疑いを指摘されるケースがめずらしくないといわれています。また、早期発見と適切な対応があれば、良好な経過をたどるケースが少なくないともされています。その意味で、自覚症状がなくとも乳がん検診を受診する意義は小さくありません。

マンモグラフィ/乳腺エコー検査/乳視触診などが代表的

乳がん検診の代表的な検査としては、次のものがあります(検査コースや健診施設によって異なります)

<マンモグラフィ(乳房X線検査)>
腫瘤の陰影や(初期の乳がんの発見に重要な)がんの「石灰化」など乳房の病変を、X線(マンモグラフィ)を用いて調べる検査です。病変がある場合、良性か悪性かの判断の指針となります。また最近では、検査画像を三次元的に再構成する3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)を用いる検査コースもあります。

<乳腺(乳房)超音波(エコー)検査>
超音波を用いて、乳房や乳腺の状態を観察する検査です。とくに、腫瘤を形成するタイプの乳がんや乳腺症、乳腺線維腺腫などの発見に役立ち、「高濃度乳腺」の検査に適しています。

<乳視触診>
乳房を見たり触ったりすることで、しこり、腫れ、乳首からの分泌物などの異常がないかを観察する検査です。乳がんのほか、乳腺症、繊維腺腫などの各リスクの発見に役立ちます。

<PEM検査(乳房専用PET)>
乳がんについて調べるPET検査です。検査機器には、乳房を平板の検出器ではさむ「対向型」と、うつぶせで検出器を中心に乳房を下垂させる「リング型」があります。乳房に近い位置で撮影ができるため、乳がんの有無を調べる場合に有用であり、また、撮影時に乳房にかかる圧力はマンモグラフィよりも小さいとされています。

<乳房MRI検査>
MRI(磁気共鳴画像撮影法)装置で、乳房の断層写真を撮影する検査です。しこりを感じても、マンモグラフィ検査と乳腺エコー検査の結果が一致しない場合などに実施されています。

女性ホルモン追加や肥満により高まる発症リスク

女性の乳がんの罹患率は、30歳代から増加を始め、40歳代後半から50歳代前半でピークとなり、その後は次第に減少する傾向があります。乳がんの発生には女性ホルモンのエストロゲンとの関連が知られています。体外からの女性ホルモン追加(経口避妊薬の使用や閉経後の女性ホルモン補充療法など)や成人してからの肥満、飲酒習慣・喫煙などが危険因子です。そうしたケースにあてはまる人を含むすべての受診者にとって、乳がん検診は、乳がんリスクの現状を把握し、早期対応に役立てるという意味を持っています。