内視鏡

がん検診

胃カメラ検査の検査内容|胃がんを早期発見する内視鏡検査の流れや費用

この記事の監修ドクター

恵理子内視鏡クリニック 院長
中村 恵理子

胃カメラ検査は、胃を中から直接観察する検査方法です。

胃がんが気になるのであれば、「胃カメラ検査」を受診しましょう。胃がんの発見に適しています。今回は、そんな胃カメラ検査の特徴について、ご紹介します。

目次
  1. 胃がんの検査は「胃カメラ検査」と「胃バリウム検査」のどちらかを選ぼう
  2. 胃カメラ検査は「経口カメラ」と「経鼻カメラ」の2種類
  3. 受診の流れ
  4. まとめ:胃の内壁を直接観察し、初期の胃がん発見に役立つ

胃がんの検査は「胃カメラ検査」と「胃バリウム検査」のどちらかを選ぼう

がんの部位別罹患数のトップは胃がんということもあり、人間ドックの項目には胃や食道、十二指腸を観察する胃カメラ、胃バリウム検査を含むことが一般的です。

実際は、人間ドックのスタンダードな検査コースの項目には、上部消化管の検査として、胃カメラ検査と胃バリウム検査(胃X線検査)があります。

また、「胃がん検診」などの名称で、胃カメラ検査を単独で受診できる検査コースが設定されている場合もあります。概要は次のとおりです。

【胃カメラ検査】

■受診費用 1~2万円ほど
■検査時間 10分ほど
■検査結果 数週後に届く場合がほとんどです。

さらに、胃カメラ検査は受診する場合は「経口」「経鼻」のどちらかを希望して選択できるケースもあります。

胃カメラ検査は「経口カメラ」と「経鼻カメラ」の2種類

胃カメラで早期発見を目指す疾患には、胃がん、食道がんなどの悪性疾患と、胃ポリープ、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などがあります。

また、がんを疑う病変が見つかった場合、内視鏡の先端から、鉗子(組織をちぎりとる部品)を用いて、組織を採取します。その組織(ちぎりとった粘膜など)を顕微鏡で検査することで病気を診断します。

胃を直接観察し、組織を採取もできるのは、胃カメラ検査の大きな特徴です。

胃カメラ検査では、内視鏡(スコープ)を用います。身体に入る部分は小指ほどの太さのファイバーで、先端には超小型カメラが付いています。

この内視鏡を口または鼻からいれて、食道、胃、十二指腸をモニターで観察します。ちなみに、口からいれる胃カメラ検査を「経口カメラ」、鼻からいれる場合は「経鼻カメラ」といいます。

経口方式の胃カメラ検査

経口内視鏡画像

「経口方式カメラ」は、口から内視鏡をいれて検査します。口からいれるため、経鼻方式にくらべて内視鏡が太く、その分、検査画像の画質は一般によいとされてきました。

ただ、経口カメラでは舌根(ぜっこん)が刺激され、おう吐感を感じることがあります。これは「咽頭反射」で、異物を吐き出そうとする防御反射の一つです。

経鼻方式の胃カメラ検査

経鼻内視鏡画像

鼻から内視鏡をいれて検査するのが、「経鼻カメラ」です。反射の起きやすい舌根に内視鏡が触れにくいため、反射が起こりにくい検査方法です。

おう吐反射が起こりにくいため、検査中、受診者が医師と会話をする場面もよくみられます。たとえば、検査にあたっている医師が、受診者にモニターで胃の中の様子を見せながら、検査説明を行うケースもあります。

現実として、内視鏡検査は、おう吐反射のため敬遠されるイメージがいまだに根強いです。そのため、検診では、経鼻内視鏡検査を推奨するケースが多いです。

これまでは、経口カメラより内視鏡の直径が細いことから、画質面で劣るとされていました。しかし、近年は細径内視鏡のハイビジョン化によって、経鼻方式と経口方式の画質はほぼ同等といわれています。

受診の流れ

健診施設や検査コースによって異なりますが、胃カメラ検査の一般的な受診の流れは次の通りです。

前日

翌日午前中に受診する場合、前日21時以降から検査終了まで絶食しましょう。

検査当日はアメ・ガム・タバコも禁止です。

当日

経口方式・経鼻方式のどちらであっても、検査の間(約10分)はのどに物がはさまった感じがあります。健診施設によっては内視鏡をいれやすいように、鎮静剤(眠りくすり)などの薬品が投与されることも考えられます。

鎮静剤の投与を受ける場合、運転に影響するため受診当日は自動車の運転はできません。自動車で健診施設に来院することは禁じられています。

健診施設によっては、検査後に目が覚めるまでの回復時間を設けているケースもあります。

終了

胃カメラ検査の場合には、胃バリウム検査のように下剤を飲むなどの負担はありません。

まとめ:胃の内壁を直接観察し、初期の胃がん発見に役立つ

胃がんは、日本における罹患数トップのがんであり、誰でも罹患する可能性があります。

胃カメラ検査は、胃の内壁を直接観察することで、万が一、検診時に病変をみとめ、組織検査が必要な場合も、組織をつまんで回収してくることが出来ます。それは、コンピューターによる間接的な検査画像で判断する画像診断にはない特徴といえます。

さらに、「初期の胃がんの発見には、胃カメラ検査が適している」との声が医療関係者に多いことは、知っておいたほうがよいでしょう。

ピロリ菌をチェックしたことの無い人、多量の飲酒、喫煙などといった生活習慣が思い当たる人は、ぜひ、検討してみてください。

胃カメラ検査の内容や費用は医療機関によって異なります。エリアごとに施設を検索できるので、お近くの医療機関を探してみましょう。

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