超音波検査・マンモグラフィの費用|乳がん検診は世代を問わず受診しましょう

がん検診

超音波検査・マンモグラフィの費用|乳がん検診は世代を問わず受診しましょう

栄エンゼルクリニック 水野芳樹 医師

この記事の監修ドクター

栄エンゼルクリニック 院長
水野芳樹

【略歴】
1985年 名古屋市立大学医学部 卒業
2010年 医療法人士正会 理事就任

【資格】
日本消化器病学会認定 消化器病専門医

乳がんは女性がかかる疾患の中でも特に注意したいがんです。近年ではドラマで取り上げられたり、著名人の発症で話題になることも多く、関心が高まっています。

乳がんの早期発見のために、各自治体では乳がん検診の無料クーポンの配布がおこなわれていますが、無料で受診できる年齢や実施期間は限定されています。また、対象外の場合は自分で医療機関を探して自費で受診する必要があるため、「どのくらいの費用がかかるんだろう……」と気になる人もいるでしょう。

今回はそんな乳がん検診の受診について、マンモグラフィや超音波検査の費用感とともに解説します。

目次
  1. 乳がん検診はどこで受診できる?
  2. 20代〜30代でも乳がん検診は受けるべき?
  3. 乳がん検診[マンモグラフィ・超音波検査]費用の目安
  4. まとめ:乳がんはどの年代においても受診を検討しましょう

乳がん検診はどこで受診できる?

乳がん検診・マンモグラフィー受診イメージ乳がん検診は、多くの自治体や企業で実施される健康診断や、各医療機関で受診することができます。費用に関しては、自治体のクーポンを利用した方が軽く済みます。まずは自治体や企業健診ではどのように乳がん検診が受けられるのかを見ていきましょう。

自治体の検診の場合

自治体の乳がん検診は、2年に1度の頻度で受診することが可能です。受診に関する対象者へのお知らせや、受診できる期間は、自治体によって対応・設定が異なります。また、検診そのものを実施していない市区町村もあるので、事前に各自治体のがん検診窓口に詳細を問い合わせてみてください。
なお、一般的に受診費用は無料、もしくは数千円程度の自己負担費用が発生する場合もあります。

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企業の検診の場合 [職域健診]

会社に勤めている人が受けられる職域検診では、年1回のがん検診に乳がん検査が含まれていることもがあります。また対象年齢も企業によって異なります。実施の有無については勤めている会社に確認してください。実施がない場合は自治体での検診を行いましょう。

職域検診での受診か、自治体での受診かは自由に選ぶことができます。受診条件や検査内容を事前に調べ、どこで受けるかを判断するとよいでしょう。

対象年齢は40歳以上

自治体の補助を利用した乳がん検診は、40歳以上が対象です(職域検診は企業毎に設定されるため、20代から実施している場合もあります)。およそ2年に1回の受診であることが多いので、このタイミング以外で気になった際や20〜30代の方には、受診の時期を任意で決められる自費での乳がん検診をおすすめします。

乳がん検診で健康保険は使えるの?

乳房のしこりや乳頭から血性の分泌物があるなどの自覚症状がある場合は、検診ではなく診療として医療機関を受診しましょう。この場合は健康保険が適用されます。検診後であっても自覚症状が出現すれば、速やかに医療機関に受診してください。

人間ドック、レディースドックを活用しよう

自治体の検診や職域健診の場合、検診の種類によって受診できる年齢や項目に制限があります。しかし人間ドックなどを活用することで、時期や年齢にかかわらず自由に検査が可能です。医療機関によっては、女性医師や女性技師が担当するレディースドックが用意されている場合もあります。
人間ドックは自費診療となりますが、子宮がん検診などの婦人科検診を含むレディースドックで3~10万円ほどで受けらます。

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20代〜30代でも乳がん検診は受けるべき?

20代でもリスクがあれば乳がん検診は受けるべき?

乳がんは30代から徐々に増えはじめ、40代後半~50代前半で発症のピークを迎えます。そのため、乳がん検診は一般的に40代からの受診が推奨されます。
※参考:国立がん研究センター がん情報サービス

しかし、20代~30代の方が乳がん検診が全く必要ないかというと、そうではありません。20代~30代の方でも、ほかの部位のがんと比べてかかる頻度は高く、子宮頸がんと併せて検診が有用です。
以下の項目に当てはまる場合は、一度検診を受けてみることをおすすめします。

  • 親・姉妹・娘(第一度近親者)に乳がん発症者がいる
  • 乳房にしこりがある(セルフチェックで確認)
  • 乳房にえくぼのような凹みがある
  • 乳頭から血性の分泌物が出ている
  • 脇の下や鎖骨の上のリンパ節が腫れている
  • 腰痛など、骨に痛みがある

また、乳がんの発症リスクを高める要因としては、以下の項目が挙げられます。

  • 初経年齢が早い
  • 出産未経験、授乳歴がない
  • 初産年齢が遅い
  • 閉経年齢が遅い
  • 閉経後のホルモン補充療法
  • 経口避妊薬の長期使用

乳がんの発症には女性ホルモンが関わっているといわれています。遺伝的な要素や自覚している症状、これまでの生活環境などを踏まえ、体調が気がかりなときは年齢に関わらず早めに検診を受けましょう。

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乳がん検診[マンモグラフィ・超音波検査]費用の目安

乳がん検診は通常、問診や視触診と併せて合わせて行われることが多く、受診施設や検査コースによって複数の項目が設定されます。検査項目とその費用目安は次の通りです。

◎マンモグラフィ:

乳房を検査機器で挟みX線で撮影する画像検査
検査費用:5千円程度

◎乳房超音波検査(エコー):

超音波を発生する「プローブ」と呼ばれる探触子を使って乳房をスキャンする検査
検査費用:約4千円程度

まとめ:乳がんはどの年代においても受診を検討しましょう

乳がんは年齢に関わらず受診することが賢明です。

乳がんは60歳前後までの女性に最も多いがんのひとつで、40~50代の発生率の増加傾向が顕著にみられます。しかし早期発見・早期治療によって助かる可能性が高いがんでもあります。なお、遺伝的要因で乳がんにかかりやすい人もいます。

自覚症状の有無やこれまでの生活環境を踏まえて「検査が必要かも?」と思ったときは、年齢に関わらず受診することが賢明です。また、受診する医療機関や検査内容が違えば負担する費用も変わってくるため、加入している健康保険や勤めている会社の制度などを上手に利用しながら、乳がんへのリスクを管理していきましょう。

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