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胃がんは部位別がん死亡数で3位

胃がんは、肺がん、大腸がんとならび、部位別のがん死亡数(2016年)の上位(国立がん研究センターの統計によると男性で2位、女性で4位、合計で3位)です。厚生労働省が2017年9月に公表した「2016年 人口動態統計(確定数)」によると、がん(悪性新生物)による死亡数は37万2,986人。そのうち胃がんは、4万5,531人でした。

胃がんは、罹患しても早い段階では自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状のケースもあります。代表的な症状としては、胃痛・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などがありますが、これらは胃がん特有の症状ではありません。そのため、胃がん検診を受診して、早期に胃がんリスクを見つけることが重要となってくるのです。

胃バリウム/胃カメラ/ABC検査などが代表的

胃がん検診の代表的な検査としては、次のものがあります(検査コースや健診施設によって異なります)

<上部消化管X線検査(胃バリウム)>
造影剤のバリウム液を飲み、食道から胃、十二指腸までをX線写真で撮影する検査です。受診者にとっては、胃カメラ(下記)よりおう吐反射の苦痛が少ないという利点がありますが、大腸憩室症やバリウムの副作用(下痢・便秘・アレルギー)のある人は避けたほうがよいともいわれています。

<経口内視鏡検査(上部消化管内視鏡検査:胃カメラ)>
口から内視鏡をそう入し、食道・胃・十二指腸の病変を直接観察する検査です。病変らしき組織が見つかった場合、内視鏡の先端から鉗子を出して採取することもできます。この組織を病理検査することで、良性・悪性の判断が確実になります。検査コースによっては、経鼻方式か経口方式を選択できる場合もあります。

<経鼻内視鏡検査(上部消化管内視鏡検査:胃カメラ)>
鼻孔から内視鏡をそう入し、食道・胃・十二指腸の病変を直接観察する検査です。経口内視鏡検査(上記)とくらべて、麻酔剤や鎮痙剤の使用は少なく、おう吐反射の苦痛も少ないことに加え、検査中に会話もできるなどの利点があります。検査コースによっては、経鼻方式か経口方式を選択できる場合もあります。

<ABC検査>
ピロリ抗体検査とペプシノゲン検査を組み合わせ、その結果から胃がんリスクを判定する血液検査です。ピロリ菌は胃炎・胃潰瘍・胃がんなどにかかわっていることが明らかになっています。

40歳代後半以降に高くなる罹患率

胃がんの罹患率は、40歳代後半以降に高くなるといわれています。また、塩分の多い食生活や野菜・果物の摂取不足、喫煙などが危険因子として知られています。そうした生活習慣のある人を含むすべての受診者にとって、胃がん検診は、胃がんリスクの現状を把握し、早期対応に役立てるという意味を持っています。