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乳がん

乳がん

女性の乳房の内部には乳頭を中心に乳腺組織が放射状に15〜20個配列しています。それぞれの乳腺は小葉に分かれており、小葉は乳管でつながっています。この乳管や小葉にできたがんが乳がんです。約9割は乳管に発生します。

また、乳がんには大きく分けて非浸潤がん、浸潤がん、パジェット病の3種類があります。それぞれ以下の様な特徴があります。

乳がんの種類 特徴
非浸潤がん 乳管からがん細胞が間質に広がった状態のがん。
しこりを触れる。
一般型と特殊型に分類されるが90%は一般型である。
パジェット病 全乳がんのうち1%未満と非常にまれである。
乳首のびらんで発見される。
多くはしこりを触れない早期のがんである。

日本は欧米にくらべると乳がんは少ないのですが、患者数は急激に増えており、女性のがんの中では大腸がんに次いで第2位となっています。女性の乳がんの罹患率は30代から増加し、50歳前後で最多となり、それ以降の年齢では減少します。

厚生労働省の2015年「人口動態統計」(2016年12月公表)などによると、乳がんによる年間死亡数は1万3千人を超えており、とくに壮年女性においては乳がんによる死亡が多くなっています。大腸がんと並んで、日本の女性がとくに気を付けなければならないがんといえるでしょう。

なお、まれではありますが男性にも乳がんは発生します。女性の乳がんよりも予後は不良です。男性でも急に胸が腫れてきたり、しこりを感じるようであれば、臆せずに受診するようにしましょう。

乳がんのリスクを高める要因

乳がんの発生と増殖には女性ホルモンであるエストロゲンが深く関わっています。そのため、以下のようなものが乳がんのリスクを高める要因となります。

・経口避妊薬の長期使用
・閉経後のホルモン(エストロゲン)補充療法
・初経年齢が早い
・閉経年齢が遅い
・出産未経験
・初産年齢が遅い
・授乳歴がない

また、脂肪組織でエストロゲンが作られることから閉経後の肥満は乳がんのリスクを高める要因となります。

次に別の乳がんのリスクとして遺伝的な要因があります。母、姉妹、娘(第1度近親者)に乳がんを患った人のいる場合、乳がん発症のリスクは高まります。2人以上の場合はさらにリスクが高まります。ですので、乳がんの家族歴のある人は20代から積極的に乳がん検診を受けたり、自己検診をよく行うなど努めてください。

また、乳がん遺伝子としてBRCA1、BRCA2が知られています。2013年にはアメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーが遺伝子検査の結果、乳がんを発症するリスクがきわめて高いとの診断を受け、発症する前に両側乳房を切除して話題になりました。

乳がんのリスクを軽減する要因

上記の通り、閉経後の肥満は乳がんのリスクを高めますが、閉経前の乳がんについては逆に肥満者でリスクが低くなることがほぼ確実であると言われています。そのほか牛乳・乳製品、大豆製品、イソフラボンが乳がんのリスクを軽減する可能性があります。

乳がんの症状

乳がんの症状としては以下のようなものがあります。

・乳房のしこりを自分で触れる
・乳房のえくぼのような凹み
・脇の下や鎖骨の上のリンパ節の腫れ(リンパ節転移による症状)
・腰痛など骨の痛み(骨転移による症状)

初期の乳がんでは自覚症状がない場合が多いです。しこりについては5〜10mm位の大きさになると、注意深く意識して触れれば自分でもわかる場合があるといわれています。月に1回程度は自分で自己検診を行い、いつもと違う感じがあれば、受診するようにしましょう。また、1年に1回程度は乳がん検診を受け、早期発見できるように心がけましょう。

乳がん検診で行われる主要な検査

乳房触診
マンモグラフィ
乳腺超音波検査(乳腺エコー)
乳腺MRI検査

施設によって内容は若干異なりますので、詳細は受診される医療機関にお問い合わせください。