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血液中の脂質であるコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)が増えすぎてしまった状態を指します。

コレステロール

総コレステロールの基準値は130〜220 mg/dLとされます。総コレステロールの増加は動脈硬化を促進するため、心筋梗塞などの虚血性心疾患と相関しており、喫煙、高血圧、肥満などとともに危険因子と考えられています。

動脈硬化予防の観点からは、総コレステロールだけでなく、HDL-コレステロール、LDL-コレステロールやトリグリセリドの値を見て、それぞれのバランスから脂質代謝の状態を把握することが重要とされています。

善玉と悪玉

血液の中にあるコレステロールは、たんぱく質と複合体を形成してリポたんぱくとして存在しています。リポたんぱくは、比重によってHDL(高比重リポたんぱく)とLDL(低比重リポたんぱく)に分けられます。HDLに運ばれているコレステロールをHDLコレステロール、LDLに運ばれているコレステロールをLDLコレステロールと呼んでいます。

HDLは体の隅々の血管壁にたまったコレステロールを回収して肝臓に運んでくれるますが、逆にLDLは肝臓にたまったコレステロールを体の隅々に運んでいき動脈硬化を促進してしまいます。

HDLがゴミ収集車ならば、LDLはせっかく回収した収集所のゴミを散らかしてしまう悪者のイメージです。
こういった理由でHDLコレステロールは善玉、LDLコレステロールは悪玉と言われています。

LH比

現在はこのHDLコレステロールとLDLコレステロールの比率であるLH比が重要とされています。

LH比=LDLコレステロール÷HDLコレステロール

と計算され、LH比が2.0を超えると動脈硬化が疑われます。また、総コレステロールが正常値でもLH比高い場合は注意が必要といわれています。

中性脂肪

食事から摂取される脂肪の大部分が中性脂肪です。血液検査一覧ではTGと書かれることもあります。中性脂肪はエネルギー源となったり体温を一定に保つ役割をしており、人間の身体にとってなくてはならないものです。

しかし中性脂肪が増えすぎてしまうと、余ったものは肝臓や脂肪組織に蓄積していきます。これがいわゆる脂肪肝、肥満の原因です。中性脂肪は脂質、炭水化物、糖質、アルコール等の取り過ぎや肝臓病・糖尿病で高値になります。150 mg/dLを超えると高値とされます。

中性脂肪高値が続くと、動脈硬化が促進され、心筋梗塞、脳梗塞など動脈硬化性疾患のリスクが増してしまいます。また急性すい炎のリスクも上昇します。

また、動脈硬化予防の観点からは、中性脂肪のほかに総コレステロール、HDL-コレステロール、LDL-コレステロールの値を見て、それぞれのバランスから脂質代謝の状態を把握することが重要とされています。

死のカルテット(四重奏)

何ともおそろしげな言葉ですが、以下の4つがあると虚血性心疾患(心筋梗塞など)での死亡率が高いので、このような名前がついています。

1、高血圧
2、糖尿病
3、脂質異常症(いわゆる高脂血症のことです。コレステロール、中性脂肪が高い状態を指します)
4、肥満

脂質異常症もメンバーの一人です。また、どれか1項目あると別の項目もあるという場合が多いので、注意が必要です。中性脂肪が増えている場合には血圧や血糖値、コレステロール(とくにLDLコレステロール)の値も比例して高くなっている可能性があります。

これらの値は少々高くなったくらいでは自覚症状は出ないことがほとんどです。生活習慣に気をつけるとともに、ぜひとも定期的なドックや健康診断で異常がないか確認していきたいものです。

他に受けるべき検査は?

脂質異常症があると動脈硬化が起こり虚血性心疾患や脳梗塞などのリスクが高まります。また、脂質異常症があると同時に高血圧、糖尿病、肥満なども併存している場合が多いと言われており、これらもやはり虚血性心疾患や脳梗塞などのリスクとなります。ですので、これらのチェックも以下のような検査で調べておくとよいでしょう。

血圧測定
身長、体重、腹囲測定
頸動脈超音波検査
血液検査(HbA1c、血糖など)
胸腹部CT
頭部MRI/頭部MRA
心電図
冠動脈CT・MRIなど