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甲状腺とは

甲状腺がん

甲状腺は喉ぼとけのあたりに蝶々のように張り付いている臓器です。蝶ネクタイを思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません。代謝や成長に関わる甲状腺ホルモンを分泌する内分泌臓器です。大きさは小さいですが非常に重要な役割を果たす臓器です。

甲状腺がん

甲状腺がんは文字通り甲状腺にできるがんですが、下記のような種類のがんがあります。それぞれに特徴があり、異なる種類のがんと考えなくてはなりません。甲状腺がんは人口10万にあたりに1年間で約7人の割合で発症するとされています。

甲状腺がんの種類 特徴
乳頭がん 甲状腺がんのうち約90%を占め、中年女性に多い。
ゆっくり進行するがリンパ節転移をしやすい。
治療後の経過はよいとされている。
濾胞がん 甲状腺がんのうち約5%を占め、高齢者に多い。
治療後の経過は比較的よいとされている。
肺や骨などに転移しやすく、転移を来した場合は予後が悪いとされている。
髄様がん 甲状腺の傍濾胞細胞ががんになったもの。
甲状腺がんのうち1〜2%と頻度は低いが悪性度が高いがんである。
進行が早く肺、肝臓、リンパ節などに転移を来しやすい。
20~30%は遺伝性に起こるため、家族の検査が必要な場合もある。
未分化がん 甲状腺がんのうち1〜2%と頻度は低いが悪性度が高いがんである。
甲状腺周囲の気管、食道、神経などに浸潤しやすく、他の臓器にも転移しやすい。
高齢者に多い。
悪性リンパ腫 血液の悪性疾患である悪性リンパ腫が甲状腺にできる場合がある。
慢性甲状腺炎(橋本病)が背景に存在する場合が多いとされる。
高齢者に多い。

甲状腺がんの症状

首の前側が腫れる・しこりを感じる、声がれ(嗄声)、食事や飲み物が飲み込みづらい、喉の圧迫感など。

血液検査(腫瘍マーカー、甲状腺ホルモン)

甲状腺がんがあるとFT-3、FT-4、カルシトニンなどの甲状腺ホルモンやCEA等の腫瘍マーカー、甲状腺で作られるサイログロブリンなどが異常値を示す場合があります。がんがあるから必ず異常値となるわけではありませんし、甲状腺の良性疾患やそのほかの臓器のがんが原因で異常値となることもあります。あくまで他の検査と相互補完的に診断に役立てます。

超音波検査

甲状腺の検査で一番活躍するのは超音波検査といえるでしょう。超音波を身体の中に向けて発し、身体の中のいろいろな部分で跳ね返ってきた超音波を検出して画像化します。身体の中には筋肉、脂肪、血液などの液体、骨、ガス、そのほか疾患によって生じた異常な構造などがありますが、

それぞれによって、どの程度超音波を跳ね返すのかが異なります。この跳ね返り具合の差を元に画像を作り出しています。原理としては漁業で使われる魚群探知機と同じです。

甲状腺は皮膚のすぐ下にあるので、超音波を途中でさえぎる物がほとんどないので、非常によく観察することができます。

CT検査、MRI検査

甲状腺自体も調べることができますが、周囲への広がりや浸潤、リンパ節やその他の臓器の転移の有無を確認するためにCT検査、MRI検査が行われます。