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日比野病院インタビュー

脳の病気は、一度なってしまうと生死をさまよい重篤な後遺症を残す可能性が高いため脳ドックなどで未然に防ぐことが非常に大切です

【Dr.インタビュー】脳ドック室長:三原 千恵 先生
脳だけではなく、さまざまな病気に関して言えることですが、未然に防ぐ、または早くに病気を発見するということが1番大事だと考えます。また、脳ドックでは「プレミアム脳ドック」だけでなく検査項目を省略している「簡易脳ドック」のコースも設定しているため、お勤め先などで健康診断を定期的に受けており、半年以内の検査結果表をお持ちいただける方であれば「簡易脳ドック」を受けていただけますので、時間も金銭的負担も軽減できます。

  • どのような経緯で脳卒中を予防するための「脳ドック」の設定をされたのでしょうか?

    当院は、脳神経外科から始まり、それから地域のニーズに合わせて他の診療科も充実させてきました。当院の開設時は、このエリアには脳卒中を診る医療施設がなかったため、前院長の意向でくも膜下出血や重症の血管障害を中心に受診者を診療し、その後の治療とリハビリまでサポートしてきましたし、今後もこの方針を守っていくつもりです。頭の病気は人間ドックで早く見つけることができるため特に当院では力を入れております。

  • 日比野病院が立地する環境から、受診される方の傾向などがありましたら教えてください。

    受診者の傾向は、時代によっても違いますが、特に脳ドックでは働き盛りの方が脳卒中予防として受けられることが増えてきているため、高齢の方たちだけではなく、比較的若い方にも脳の病気に関しての意識が高くなってきていることが言えます。また、最近では認知症の発症を心配する高齢者が来院されることも多く、認知症に関しても早めに治療を開始できるように心がけています。

  • 脳ドックの受診を推奨される具体的なプロフィルなどはありますか?

    一般的には、脳卒中の危険因子として高血圧、糖尿病、脂質異常症、不整脈、肥満、喫煙、飲酒などが挙げられます。そのため、このような危険因子をお持ちの方であれば一度脳ドックを受診していただき、脳の状態をチェックしていただくことで、ある日突然倒れるようなことを防げるのではないかと思います。また、脳卒中で倒れることがないように先ほどの危険因子をしっかりとコントロールや治療をすることも非常に大切です。

  • 脳ドックのコースでは、プレミアム脳ドックと簡易脳ドックがありますが、どのように違うのでしょうか?

    二つのコースでは、行っている脳の検査はどちらも同じものになります。では、なぜプレミアムと簡易の二つに分かれているかと申しますと、プレミアム脳ドックでは、動脈硬化や心臓、血液、尿検査など身体全体の検査を行います。また、簡易脳ドックでは、例えば、働き盛りの方で、会社で最近健康診断を受けたという方は半年以内の検査結果表を持って来ていただければ、そのデータを参考にしながらお話をさせていただくことになります。

  • 眼底検査は、動脈硬化の程度を調べることに役立つのでしょうか?

    頭のMRIと同時に眼底検査を行っております。眼底検査で観察する血管は、実は私たちが直視で確認することができる唯一の血管なのです。また同時に、目玉というのは、第2脳神経と呼ばれ脳の一部ですので、そこに張り付いている血管は脳の血管ともつながっています。つまり、眼底検査によって網膜の血管、脳の血管を一部見ることが可能であり、目動脈の動脈硬化の程度が脳の血管の動脈硬化を反映していることにもなりますので、非常に大事な検査になります。

  • プレミアム脳ドックについて、さまざまな検査が追加されることによって脳卒中の早期発見に有効であることが特徴ですか?

    プレミアム脳ドックでは、簡易脳ドック検査項目にエックス線検査、安静時心電図検査、血液検査、尿検査などが追加されることで脳卒中になるリスクを細かく調べることができるコースになっております。具体的には、エックス線検査と安静時心電図検査は不整脈や虚血性心疾患の有無を調べることができ、血液検査や尿検査は高血圧、糖尿病糖質異常などについて調べることができ、脳卒中のリスクを早期に発見いたします。

  • 簡易ドックは、半年以内に人間ドックを受診している方が対象ですが、簡易ドックを設定された理由について教えてください。

    本当は、人間ドック受診から3カ月以内に来ていただきたいのですが、ご多忙な方が多いため半年に設定しています。半年以内であればその方の現時点での健康状態を反映していると考えます。また、検査結果表を持参いただくことで検査項目を省略できるだけでなく、受診者がどれだけご自身の身体に関心を持たれているかを知ることができます。人間ドックでは詳しく聞けなかった数値の意味なども含めて丁寧にお話をさせていただきます。

  • 画像診断の読影体制について、どのように行われているか詳しくお話をお聞かせください。

    MRIやMRA検査を始めとする画像診断は、脳卒中に知見を持つ医師2人によるダブルチェック体制が整備されております。また、基本的に画像に関しては、グレーゾーンやこれはどうだろうというようなときは、参考に放射線科の担当の医師にもチェックを頼んでおります。画像診断の判断もブレがあるため、ダブルチェック体制を整え、できるだけ正しい判断をし、見落としを少なくすることで検診の質を向上できるように努めております。

  • 検査結果の説明に関してですが、受診日当日に聞くことはできますか?

    当日結果が分かるものに関しては、受診日当日に受診者にお話をすることを原則としております。しかし、画像診断はダブルチェックを行うため、少しお時間をいただくことになります。画像診断を含めた総合的な検査結果に関しては、約1週間で受診者のお手元に届くように郵送しておりますので、そちらをご確認いただければと思います。

  • 検診の結果、何か問題が見つかった場合はどのように対応されていますか?

    例えば、動脈瘤(りゅう)や脳腫瘍であるとか、一刻を争うような事態であれば検査結果表送付までの1週間も待っている余裕はないため、私たちの判断で当院の検査、あるいは大きな医療施設へすぐに紹介状を書くなどの対応をいたします。そのため、場合によっては検査結果表が検査のあとに届くというような場合もありますが、システム上の問題であり、当院では受診者の身体の状態を第一に考えて対応をいたします。

  • 予防医療の重要性について、先生のお考えを詳しくお聞かせください。

    現代は、がん治療、遺伝子治療、再生治療など医療がとても発展しております。しかし、1番大事なのは病気を予防することだと思います。また、日本のように人間ドックのシステムが著しく発展しているのは非常に珍しく、予防医学の中でも世界に誇れる素晴らしいものだと思いますので皆さんに利用していただくことで、病気で苦しむ方が少なくなると期待しています。

  • 職業運転士に対する脳健診に注力されているそうですが、どのような背景からでしょうか?

    最近、職業運転士が運転中に意識不明に陥り事故を起こしたり死亡したりというニュースが頻繁に見られています。ここ5年間で数百人もの方が死亡しているそうです。国も法令化に乗り出し、国土交通省の主導のもとに2015年に一般社団法人運転従事者脳MRI健診支援機構が設立され、脳健診を行っている事業所に対して認定制度を設けています。また、2018年2月23日には国土交通省から「自動車運送事業者における脳血管疾患対策ガイドライン」が発表されました。ただ、脳健診で要精査や要治療となっても、本人が受診しなければ脳健診の作用は望めません。仕事を失うのではないかという危惧から、受診しない有所見者も存在する。本人の健康管理はもとより事故防止のためにも、脳健診の受診のみならず有所見者に対する個別の対応が重要であると言えます。当施設では、脳健診はもとより、要精査となった症例に対して、業務変更や運転業務の可否を含めて対応しています。

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