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医療法人財団 県南病院インタビュー

脳に関する疾病の予防、急性期医療から回復期までのケアを行う地域包括ケアの構築を推進しています

【Dr.インタビュー】院長:塚田 篤郎 先生
いったん、病気になってしまうと重篤な後遺症を残してしまうことが多い脳や骨髄という中枢神経系は、疾患を発症する前に発見して、そこにいたらないような状況を作ることが非常に重要になってくるため、脳ドックを推奨しております。また、地域包括ケアの構築をすることにより、受診者が住み慣れた地域で医療を受け続ける事ができ、そして自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるサポートをしております。

  • 脳神経外科の担当医を目指されたきっかけについてお聞かせください。

    私は医師の家系で育ち、当院の3代目になります。祖父は内科で、父は外科を専門にしておりました。そして、私が筑波大学医学専門学群の1回生だった当時、父が診療を行っていた外科のエリアはある程度確立された部分はありましたが、脳神経外科に関してはまだまだ始まったばかりの外科のカテゴリでしたし、その中でも特に脳卒中に関しては臨床だけではなく研究においてもとてもやりがいがあると感じ脳神経外科医を志しました。

  • 先生が日々診療をされている中での曲げられない信念に関してお話しください。

    われわれ脳神経外科は受診者の生命に直接関係する分野のため、受診者をどうすれば救えるのかということをまず第一に考えます。同時に、脳あるいは骨髄というところは非常に分化した細胞や臓器であるが故に細胞分裂ができず、一度細胞が死滅すると再生できないため、後遺症をもたらしてしまうことになります。そのため、生命の危機を救うと同時に機能予後も非常に重要になりますので、治療の上で大変気を付けているところになります。

  • 脳ドックの重要性やポイントなどについて詳しくお聞かせください。

    脳あるいは骨髄という中枢神経系は、いったん病気になってしまうと重篤な後遺症をのこしてしまうことがあるため、やはり発症する前に診断して発症しないように予防することが重要だと思います。そういう意味で、一般の人間ドックは生活習慣病や、がんなどを中心に検査することになると思いますが、脳ドックは重篤な後遺症を残してしまうような疾患を発見するものなので、予防医学の中でも非常に重要ではないかと考えています。

  • 院内のインテリアへのこだわりなどがありましたらお聞かせください。

    一般診療、検査部門、病棟をリニューアルいたしましたが、特に一般診療、検査部門におきましては、配色、そして採光を重要視しました。院内全体的に、白を基調とし、それでいて非常にリラックスできるような暖色系の色も使用し、解放感や清潔感溢(あふ)れる雰囲気作りを心がけました。また、院内にも光を多く取り込めるよう窓の配置などを工夫しております。このように、受診者の方の不安などをできるだけ取りのぞけるような作りにいたしました。

  • 県南病院が掲げられている理念に関して詳しくお聞かせ願います。

    当院は、父の時代から約50年の歴史があり、開院当初から地元住民の皆さんに対して専門的、なおかつ総合的な医療を提供しておりまして、それをこれからも続けていく事が理念の一つです。そして、これから国や厚労省が大きな命題としている地域包括ケア、あるいは地域医療構想の中で、当院におきましては脳神経外科を中心とした急性期と回復期を目指しておりますが、超急性期や慢性期の役割も同時に果たしていきたいと考えています。

  • 医師としてのやりがいを感じられる瞬間に関してお話をお願いします。

    当院は、急性期医療も行っているため救急車で運ばれて来て直接手術に結び付くということもあります。しかし、それだけではなく、たとえば軽い症状でいらしても、診療から始まりいろいろな精査をして疾患を発見し、重篤な症状になるのを未然に防げたときにやりがいを感じます。症状が重篤な場合ですと大きな後遺症を残してしまうことが多いのですが、軽いうちであれば社会復帰の方向へ持っていけるということにも喜びを感じます。

  • 予防医療の重要性に関して、どのようにお考えでいらっしゃいますか?

    脳外科疾患の中で注意すべきものは五つくらいに分かれ、その中でも脳血管障害というのは特に注意を要します。脳血管障害は出血性と虚血性の疾患があり、出血性の疾患は脳出血あるいはくも膜下出血があります。予防医学の発達により、以前では予測不可能だったくも膜下出血の主な原因である、脳動脈瘤(りゅう)が脳ドックのCTやMRI検査により容易に発見できるようになりましたので、皆さんにも有効活用していただきたいと思います。

  • 慢性硬膜下血腫について、詳しくお話をお聞かせいただけますでしょうか。

    認知症の中で、慢性硬膜下血腫という病気があります。一見、症状も認知症に似ており、発症する方も高齢者が多いため、非常に進行の速い認知症と誤診されてしまうことがあります。しかし、この二つはCTやMRIなどの検査を受けることで区別をつけることが可能です。慢性硬膜下血腫は認知症に似た症状が現れるのですが、手術をすることで良好な予後が得られる病気でありますので、認知症の鑑別診断の中では非常に大事になります。

  • 脳関係以外の専門に関してのお話を詳しくお聞かせいただけますか。

    脊椎に関係する病気、たとえば首の病気、腰の病気というのは整形外科の専門で、そこ以外では治療ができないと思われる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、私たち脳神経外科の担当医にとっても頸椎(けいつい)、腰椎などの脊椎疾患、あるいは脊髄疾患は一つの専門的分野であります。オプションとして脊椎・脊髄ドックというものも当院では行っていますので、そちらのドックも合わせてぜひご利用いただければと思います。

  • 県南病院の医師の特徴などがありましたらお話をお聞かせください。

    当院の脳ドックを担当しております医師の特徴としては、在籍している医師全員が日本脳神経外科学会認定の脳神経外科専門医ということです。そして、脳神経外科に関わる病気の多くが直接生命を脅かすものになってきますので、少しでも間違いなどが起こらないようにしたいという思いから、当院では在籍している医師がダブルチェックをする体制を整え、出来るだけ見落とすことがないようしっかりとフォローをしております。

  • こちらのサイトをご覧になっていらっしゃる方へ、先生よりメッセージをお願いします。

    日本は、世界に誇れる長寿国ではありますが、現在既に超高齢化社会を迎えていることを考えると、単に寿命を延ばすだけではなく、一人で独立してもいろいろなことができるような健康な状態で生きられる期間、いわゆる健康寿命を延伸することが重要だと考えます。そして、そのような状況を実現するためには、脳卒中を未然に防ぐということがまず重要になってきます。当院の脳ドックはその点に関してお役に立てると思っております。

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