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総合相模更生病院インタビュー

予防医療の重要性が叫ばれる中で、規則正しい食生活と生活習慣に勝ることはないと考え、その重要性を懇切丁寧に説明しております

Dr.インタビュー:井出 道也 名誉院長
地域全体で医療を補完し合うということをコンセプトに、周辺の各医療機関との役割分担を重要視しております。
たとえば、医療機器に関しては全て当院で設備投資を行うのではなく、地域にないものを当院で導入し、ほかの病院や地域医療機関の受診者のフォローアップを行います。当院ではPET-CTがそれに当たります。
また、当院自体は受診者が弱い立場にあることを基本に考え、人に対する仕事である事を日々意識して診療しております。

  • 先生が医師を目指されたきっかけについてお話をお聞かせください。

    医学部に行こうと決めたのはもう半世紀前になります。医学部に進学したい理由はさまざまありましたが、一つは仕事を選ぶなら人間を相手にする仕事をしたいということが理由として挙げられます。その中でも、人を相手にする仕事の中で、臨床医という仕事に惹かれ医学部を目指しました。50年経った今でもその選択は間違っていなかったと思っております。

  • 医師として、常日頃から心がけていることがありましたら詳しく教えてください。

    相手が受診者であるということを認識することです。受診者と医療者の関係は対等ではなく、どうしても受診者が弱い立場となります。われわれが受診者を診るときは受診者が弱い立場であるということを基本に考えております。また、人に対する仕事であることを意識して取り組んでいます。人と人との仕事であることを認識しないと徐々に無機的な仕事になってしまいます。私はこの2点を心がけて日頃から診療をしております。

  • 人間ドックを受診する方と接する際に気を付けていることなどがありましたら教えてください。

    人間ドックを受診する方はさまざまなことをお尋ねになります。その際、分かりやすく説明することを心がけております。今は医療知識も手に入りやすくなったため、受診者の方でも豊富な知識を持った方がたくさんいらっしゃり、いろいろなリクエストをいただくこともございます。受診者のリクエストに応えることは重要なことではございますが、医師としてしっかりと分かりやすく説明することを心がけております。

  • 院内設備に関してこだわられた点などがありましたら詳しくお聞かせください。

    基本的に病院は検査や治療をするところであり、レストランやホテルとは違うためアメニティーなどに力を入れているということはございません。重要なのは清潔を保つことです。病気の方と人間ドックなどの健診で来られる方と目的は違いますが、院内でクロスし院内感染などが発生する可能性があります。そのようなことがないよう、清潔ということを一に考えております。院内感染対策をとった上で、過ごしやすい環境を作っております。

  • 導入されている医療機器に関して、特にこだわって導入されたものがありましたら教えてください。

    当院は10年前に今の本館を新築いたしまして、その際にPET-CTを導入いたしました。一つの医療機器の地域共同利用というものをコンセプトとして掲げており、全て当院で賄うのではなく、地域に無いものを当院で用意し、地域内の医療体制を補完し合うようにしております。設置してから10年が経ち、地域の方に利用していただけるように情報発信などを率先して行ってまいりましたので、予定通り活用していただいているところです。

  • ほかの医療機関との違いに関してアピールできる点をお話しください。

    今の医療の世界では、地域内で医療体制を補完し合うという考え方が注目を集めております。この部分はこの病院が一翼を担う、その他の部分はほかの病院が補完していくという風にして、地域内で相互補完することです。もちろん大学病院でしかできないこともございますが、特に地域の病院協会や医師会が中心になり、ほかの医院との差別化というよりも相互に足りない部分を補完し合うという考え方を重視しております。

  • 総合相模更生病院で掲げられている理念について詳しくお聞かせ願います。

    基本理念に掲げているのは、「信頼と調和、そして安全」です。ありきたりなことですが、やはり病院には欠かせない部分だと思っております。それに加えてよく言われているのは受診者の満足度「CS: Customer Satisfaction」です。そして、職員の満足度「ES: Employee Satisfaction」であります。職員が満足して働いていなければ、受診者に納得はしていただけないという考えにのっとって、職場環境、働いている者が満足して働けるようにということを基本理念として考えております。

  • 医師になって良かったと思った瞬間などのエピソードがありましたらお聞かせください。

    常に医師として当たり前のことをしているだけなので、特に語れるエピソードはありません。しかし以前、大学病院などから末期がんの方が、もう抗がん剤はやめたい、治療は受けたくないといって当院を訪ねてくださることがございました。この方には苦痛を和らげる治療のみで、ご本人の意思を尊重して対処療法にとどめました。その方はいまわの際に「先生ありがとう」と言って亡くなっていかれたのですが、それが非常に印象的でした。

  • 時代が変わり、命を救うだけが医師の使命ではなくなってきているということでしょうか?

    医師の仕事はこれまでは命を助けることが至上命題でありました。しかし2025年問題があり、高齢者が多くなることで亡くなり方というのもさまざまなパターンがあります。病気の治療という点ではある程度医療者に任せていただきたいと思いますが、本当にターミナルのステージになった際は、それぞれの方がご自分の人生のフィナーレをどのように迎えるか、それをお手伝いするのが医師の仕事にもなってくると考えております。

  • 予防医療の重要性に関して先生の考えを詳しくお聞かせください。

    昨今、病気の予防をするために食生活から何から何まで改善すべきだと言われる訳ですが、そういった規則正しい生活習慣が身もふたもない話、全てでございます。不必要に健康ということだけをメインに取り組むことに対しては、むしろ警鐘を鳴らしたいと考えております。正しい食生活、つまり三大栄養素をしっかりと摂取すること、そして一般的な生活習慣をきちんと整えることに勝ることはないだろうと考えております。

  • 予防医療の重要性を広める取り組みはどのようなことをされていらっしゃいますか?

    人間ドックや健診で来られた方々に共通してお話するのは、生活習慣を整えるということです。ただ、お勧めはしておりますが、アルコールや喫煙も個々の人生観になるため、禁煙外来などはございますが、それらもご自分の意思で通われる所です。飲み過ぎれば水でも身体に悪いわけですから、適度な所や過剰になるとどういったことになるかといったことを懇切丁寧に説明して、ご了解いただくことを心がけております。

  • 先生の健診にかける想いについて詳しくお話をお聞かせください。

    健診や人間ドックで病気が早く見つかれば、それに対する治療もしやすいということで、定期的に身体のチェックをするということは、非常に重要だと思っております。大病をして、思いがけない病に取りつかれるということは、長い人生の中で大きなつまずきになりますので、それが対処できるうちに見つけるということは一人ひとりの人生を充実したものにする上で非常に重要だと考えております。

  • これから総合相模更生病院をどのような医療機関にしていきたいとお考えですか?

    当院は二百数十床の中小の病院でございます。最近マスコミでも言われるようになりましたが、国が地域医療構想というのを立ち上げ、病院を超急性期、急性期、回復期、慢性期と四つに分けるという話があります。われわれ中小の病院は一般急性期と回復期、超急性期の受診者さんが、まだ在宅医療は難しいが家に帰るための一つのステップの場を提供するというのが重要なミッションになるのではないかと考えております。

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