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マンモグラフィ(乳房X線検査)は、乳房専用のX線撮影装置を使ったレントゲン検査です。アクリル板で圧迫し、乳腺を薄く伸ばした状態で撮影します。ある程度強く圧迫し乳腺を薄く伸ばすことで病変が写し出されますので、多少の痛みはともなう検査です。両側の乳房を上下と左右の2方向から2回ずつ、計4回撮影します。

 

乳腺のしこりに加え、微細な(非常に細かい)石灰化や構築の乱れといった、がんを疑う所見がないかどうかを診断します。乳腺が発達していると正常な乳腺の影が濃くなってしまい(高濃度乳腺といいます)、異常所見が隠れてわかりづらくなってしまうため、若年の方や妊娠中や授乳中の方は、きちんと評価ができないこともあります。

 

乳腺密度は個人差もあるため、状況に応じて他の検査と組み合わせて判断することが重要です。

マンモグラフィでわかること

乳腺内にしこりや石灰化など悪性を疑う所見がないかどうかがわかります。マンモグラフィは乳腺全体を観察するのに優れていますので、検診でスクリーニングするには適しています。

 

特に早期の乳がんの所見である微細石灰化は、マンモグラフィのみで見えることも多いです。石灰化は良性変化でも生じることがあるため、数か月毎に撮影して変化してこないかどうか、経過を見ることもあります。

マンモグラフィ、超音波、MRIの3つがある理由

乳腺の画像検査には主にマンモグラフィ、超音波(エコー)検査、MRI検査の3種類があります。
マンモグラフィは乳房全体を把握できるとともに、特に早期の乳がんの所見である微細石灰化を見つけることにも優れています。ただ、乳房の形によっては、撮影されない範囲があったり、乳腺に隠れて写りづらい病変があったりします。

 

超音波検査はプローブを移動させて見ますので、特に病変がある部分を集中的に観察することができます。特に小さいしこりを見つけるのに優れています。ただ、プローブ操作の中で見落としが生じたり、良性の変化を見つけすぎたりしてしまうこともあります。マンモグラフィと合わせて判断することで、より病変を見つけやすくなります。

 

MRI検査は、遺伝性乳がん家系が疑われる方などは検診でも行いますが、一般的には病変が見つかった場合の精密検査として行います。
乳腺の病気の診断は難しく、どれか1つで十分とは言い切れません。画像検査を総合的に判断する必要があります。そのうえで、疑わしい病変がある場合は、組織を採取して診断をすることが重要になります。

及川 明奈先生

この記事の監修ドクター

六本木ブレストレディースクリニック院長
及川 明奈先生

【略歴】
1997年 筑波大学医学専門学群 卒業
2001年 筑波大学消化器外科、大学病院及び関連病 勤務
2003年 筑波大学医学研究科 卒業

2019年 六本木ブレストレディースクリニック 院長就任

【資格】
日本外科学会 外科専門医
日本乳癌学会 乳腺専門医
日本超音波医学会 超音波専門医