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ASTは、ALTやγ-GTPなどとともに、いわゆる「肝臓の値」といわれる検査値のひとつですが、肝臓のほかにも心臓、腎臓、肺、脳、筋肉、赤血球に含まれており、これらの臓器・組織にダメージがあると、血液中にASTが逸脱し、高値を示します。ですので、肝臓の病気に限らず値が上昇します。

さまざまな肝疾患のほか、心筋梗塞、心筋炎、肺梗塞、腎梗塞、筋ジストロフィーなどで高値を示します。

ALTは、肝臓の細胞質に多く含まれており、他の臓器にはあまり分布していません。この点がASTと異なります。そのため、ALTが高値の場合は、まずは肝臓の病気があることを疑います。

AST(GOT)/ALT(GPT)検査でわかること

AST(GOT)、ALT(GPT)の基準値は下記の通りですが、施設によって若干基準値の幅が異なりますので、受診した医療機関の基準値を元に結果を見るようにしましょう。

基準値
AST(GOT) 10~35 IU/l
ALT(GPT) 5~40 IU/l

AST(GOT)、ALT(GPT)が高値を示したときに、AST(GOT)、ALT(GPT)がともに高値の場合と、主にAST(GOT)が高値の場合で分けて考えていく必要があります。上記でも説明したようにAST(GOT)とALT(GPT)でそれぞれが主に分布する臓器の種類が異なるからです。

2つの場合で臓器ごとに考えられる病気は以下の表の通りです。

1. AST(GOT)、ALT(GPT)がともに高値の場合

臓器 考えられる病気
肝臓 ウイルス性の急性・慢性肝炎や肝硬変、薬剤性・アルコール性肝障害、自己免疫性肝炎、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変、脂肪肝、ヘモクロマトーシス、Wilson病、糖原病、アミロイドーシス、肝がん、肝転移など
胆道系 胆のうがん、胆石、胆のう炎、総胆管結石、胆管がん、胆管炎など
すい臓 すい臓がん、急性・慢性膵炎など
その他 敗血症など

2. 主にAST(GOT)が高値の場合

臓器 考えられる病気
心臓 心筋梗塞、心筋炎など
筋肉 多発性筋炎、筋ジストロフィーなど
その他 肺梗塞、腎梗塞、溶血性疾患など

AST(GOT)、ALT(GPT)が高値を示す場合、上記のようにさまざまな病気が考えられるため、そのほかの血液検査項目や腹部超音波、CT、MRIなどの画像検査とあわせて総合的に評価する必要があります。