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日本人に多い高血圧

2010年国民健康・栄養調査では30歳以上の 日本人男性の60%、女性の45%が高血圧と判定されました。また、高血圧を患っている率は年齢が高いほど高く、50代以上の男性と60代以上の女性では60%を超えているとされています。

高血圧の分類

高血圧にはとくに明らかな異常がないのに血圧が高くなる1次性高血圧(本態性高血圧ともいわれます)と腎臓病やホルモン異常が原因で血圧が高くなる2次性高血圧があります。2次性高血圧は原因の診断およびその治療が必要となります。
1次性高血圧には塩分の過剰摂取、ストレス、過労、肥満、運動不足、加齢による血管の変化、遺伝的要因などが関連していることがわかっています。

高血圧の基準

日本でも世界においても「140/90mmHg以上」を高血圧とすることは共通ルールになっています。2014年のガイドラインでは以下のように基準が決められています。140/90mmHg以上が高血圧で、程度によって3段階に分かれています。

高血圧の基準

(日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」より)

血圧が高いと動脈硬化が進行

血圧とは心臓から血液が送り出されたあとに心臓から離れた手足など(末梢といいます)でその血管にどれくらいの負荷がかかっているかを表します。

蛇口をひねってホースから水をまくときにことを思い浮かべてください。蛇口をひねって、水の勢いを強くすると、ホースはだんだん「ピンっ」と張ってきますね。これが血圧が高いときのイメージです。ずっと血圧が高い状態が続くと、血管に負荷がかかり動脈硬化が進行してしまいます。

動脈硬化は心臓の冠動脈、腎臓、頸動脈、脳などに起こり各臓器に負荷をかけ、また、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高めてしまいます。血圧が高いことだけで症状が出ることはあまりないため、気がつかないうちに病気が進行していきます。

そのため、定期的に血圧を測定し、早い段階で動脈硬化やその他の病気のリスクの芽を摘む必要があります。血管の場合は心臓や腎臓、血管自体の動脈硬化・狭窄、ホルモン、ストレス、喫煙、飲酒、生活習慣などさまざまな要因が関係してきます。血圧測定をきっかけに大きな疾患が見つかることもあります。

ほかに受けるべき検査

高血圧があると動脈硬化が起こったり、心臓に負荷がかかったりします。
また、高血圧があると同時に脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症、肥満なども併存している場合が多いといわれており、これらは虚血性心疾患や脳卒中のリスクとなります。ですので、これらのチェックも以下のような検査で調べておくとよいでしょう。

身長、体重、腹囲測定
頸動脈超音波検査
血液検査(HbA1c、血糖、コレステロール、中性脂肪など)
頭部MRI/頭部MRA
心電図
冠動脈CT・MRI
など

梅舟 仰胤先生

この記事の監修ドクター

ファミリークリニックひきふね院長
梅舟 仰胤先生

【略歴】
2017年 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了
2017年 ファミリークリニックひきふね 院長就任
【資格】
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医
日本内科学会認定 総合内科専門医

           

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