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卵巣

卵巣がん

卵巣は子宮の両脇に1つずつある1〜2cmほどの小さな臓器です。卵巣で卵子が成熟し、排卵されます。また卵巣は周期的に女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)を分泌しています。

卵巣がん

卵巣がんは子宮の両脇に1つずつある卵巣に発生するがんです。卵巣がんは発生する場所によって種類が分かれており、それぞれ上皮性、胚細胞性、性索間質性と呼ばれます。90%以上が上皮性です。卵巣がんの罹患率は40歳代から増加し、50歳代〜60歳代でピークとなります。また死亡率は50歳以降に増加して高齢になるほど高くなってしまいます。

症状

初期の卵巣がんはほとんど自覚症状はありません。下腹部のしこり、重たさ・圧迫感を感じたり、膀胱が圧迫されてトイレが近くなるなどの症状をきっかけに内科や婦人科を受診して発見される場合が多いです。しかしこのような症状が出たころには大分進行してしまっている場合も少なくありません。

卵巣がんがさらに進行すると、播種といって、お腹の中にがん細胞がまき散らされる転移を起こしてきます。すると腹水がたまってお腹が張ってきます。近ごろ太ってお腹がふくれてきたと思ってしばらくようすを見ていたら苦しくなってきて初めて受診するような場合もあります。

初期の卵巣がんは自覚症状が少ないだけに、ぜひとも定期的な検診やドックを早期発見のきっかけにつなげていくことが望まれます。

腫瘍マーカー

卵巣がんの腫瘍マーカーとして最も頻用されるのはCA125です。次いでCA19-9もよく用いられます。CA19-9はどちらかというとすい臓がんの腫瘍マーカーとして使われる場合が多いです。このほかにもCA602、CA546,GAT、CA72-4、STNなどさまざまなものがありますが、ドックや検診の現場で用いられることはまれです。

これらの腫瘍マーカーは卵巣がんがあると高率に高値を示すといわれていますが、卵巣がんがあるから必ず異常値となるわけではありませんし、婦人科良性疾患やそのほかの臓器のがんや炎症が原因で異常値となることもあります。あくまで他の検査と相互補完的に診断に役立てます。

内診

片手の指を膣に挿入し、もう一方の手で下腹部を触診することで骨盤内の子宮や卵巣の状態を診察する手技です。熟練した産婦人科専門医であれば、固さや感触などから、腫瘍の広がり具合などもある程度は予想することができます。この触診したときの印象や情報と超音波やMRI、CTなどの画像検査や血液検査を合わせて総合的に判断します。

経膣エコー

経膣超音波(経膣エコー)では腟専用の細長い棒状の形をしたプローブと呼ばれる器具を膣内に挿入し、子宮や卵巣の状態を観察します。プローブから超音波を身体の中に向けて発し、身体の中のいろいろな部分で跳ね返ってきた超音波を検出して画像化します。

身体の中には筋肉、脂肪、血液などの液体、骨、ガス、そのほか疾患によって生じた異常な構造などがありますが、それぞれによって、どの程度超音波を跳ね返すのかが異なります。この跳ね返り具合の差を元に画像を作り出しています。原理としては漁業で使われる魚群探知機と同じです。

骨盤部MRI

MRIは強い磁場のなかで身体に電磁波を当てることで 身体の中の水素原子(プロトン)が特定の周波数に共鳴するという現象を利用して画像を作り出す技術です。

卵巣の腫瘍にはさまざまなものがあり、良性なのか悪性なのか判断が難しい場合が多いです。このような場合にMRIで良性なのか悪性なのか鑑別できる場合があります。

またドックや検診で内診に抵抗がある人にもおすすめできる検査です。内診をしなくても子宮や卵巣の状態が詳細に画像で確認できます。検査時間は20分ほどで少々長いですが、放射線を使わないので被ばくもなく、安心な検査と言えるでしょう。