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腎臓

腎臓は腹部に左右1つずつある長径10cmほどの空豆のような形をした臓器で、血液をろ過して尿を作る働きをしています。また、血液を作るためのホルモンを作ったり、血圧を調整したりしています。

腎臓は腎実質(腎皮質と腎髄質があります)という尿を作る場所と、 作られた尿がたまる腎盂という場所に分かれます。腎盂にたまった尿は尿管を通って膀胱にたまり、排泄されていきます。腎臓には別項で記載した腎細胞がんのほか、さまざまな疾患が起こります。以下でそれぞれについて解説します。

腎のう胞

腎のう胞は水のたまった袋のようなものです。多くの場合は問題ありません。しかし、出血をともなったり、石灰化をともなう複雑性囊胞と呼ばれる囊胞があります。

時に複雑性囊胞は内部に充実成分と呼ばれる肉肉しい成分をともなう物があり、これは悪性化といって、がんに変化している可能性を疑う所見となります。ただの囊胞なら心配ないのですが、複雑性囊胞は定期的に経過を見る必要があります。

腎結石

腎臓に石ができた状態です。石が腎臓から尿管に落っこちる(落石といいます)と細い管をトゲトゲした石ころが通過しますので、激痛をともない、血尿も出ます。また腎臓にある結石が時として腎不全の引き金となることもあり、注意が必要です。

腎盂腎炎

多くの場合、尿道から尿の流れに逆行するように腎臓まで細菌が入ってきてしまい、腎臓に炎症を引き起こします。高熱や痛み、血尿、濃尿などの症状が出ます。時に血液の流れを介して腎臓に細菌が感染巣を作ることもあり、これはAcute Focal Bacterial Nephritis(AFBN)と呼ばれます。いずれの場合も抗生剤での治療が必要となります。

慢性腎不全(慢性腎臓病)

慢性腎不全(慢性腎臓病)とは高血圧、糖尿病、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、多発性のう胞腎、間質性腎炎などにより腎臓がダメージを受け、腎臓の機能に障がいが起きる病態を指します。腎臓へのダメージは長い期間を通じて徐々に加わるため、末期になるまで自覚症状が出ない場合が多いです。

腎臓の血液濾過機能や障がいされるため、有毒物質が身体に残り、「尿毒症」と呼ばれる状態に至ります。程度が酷くなると昏睡状態になり、生命の危険につながります。

他には浮腫(むくみ)や貧血、高血圧などの症状が出ます。慢性腎不全(慢性腎臓病)は進行すると、腎臓がほとんど機能することができなくなりますので、透析あるいは腎移植が必要となります。慢性腎不全(慢性腎臓病)の原因としてとくに糖尿病が増えてきているので、注意が必要です。

血管筋脂肪腫

血管筋脂肪腫は腎臓にできる腫瘍です。血管の成分と筋肉の成分と脂肪の成分を持つ腫瘍で、ほとんどの場合が良性です。健診、人間ドックやその他の疾患の検査でたまたま見つかる場合が多いです。サイズが小さいうちは症状が出ることはまれです。しかしサイズが大きくなると破裂して出血する危険が高いため、定期的な経過観察を要します。結節性硬化症と呼ばれる先天性疾患で合併することが知られています。

検査

血圧測定
血液検査(クレアチニン、尿素窒素、血算など)
尿検査
腹部超音波検査(腹部エコー)
腹部CT