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すい臓がん

すい臓は胃の後ろにある臓器です。大きさ20cmほどで、オタマジャクシあるいは勾玉(まがたま)のような形をしています。すい臓には内分泌と外分泌という2つの役割があります内分泌は血糖を調整するインスリンやグルカゴンというホルモンを分泌すること、外分泌は口から入った食べ物の消化を促す膵液を分泌することです。

膵液は膵管を経て主膵管というすい臓の中を通る管によって運ばれ、胆汁の通る総胆管と合流した後に、十二指腸に流れていきます。すい臓にできるがんのほとんどはこの膵管の細胞から発生します。

すい臓がんは、進行のスピードが速いがんのひとつです。初期には症状が出ないことが多く、がんが広がる過程でお腹や背中の痛みが出たり、がんによって膵液の通る膵管やすい臓の近くを通って膵管と合流する総胆管がふさがれてしまうことで胆汁のうっ滞が起こり、黄疸がでたり、すい臓の近くにある十二指腸にがんが進展し、十二指腸を狭窄してしまうことで吐き気や嘔吐などの症状が出現します。

しかし、このような症状が出て初めて検査を受けたころにはかなり進行してしまっていることも珍しくありません。

すい臓の周りには総胆管、十二指腸、胃、大腸、大動脈やその枝分かれした血管である腹腔動脈、上腸間膜動脈などがあります。膵がんは傍神経浸潤と呼ばれる特徴的な広がりを示し、腹腔動脈、上腸間膜動脈に浸潤します。このような浸潤があると手術ができない場合がほとんどです。すると放射線や抗がん剤での治療となります。

すい臓がんの罹患率は60歳ごろから増えはじめ、高齢になるほど高くなります。また、女性にくらべて圧倒的に男性に多いという特徴があります。

すい臓がんは上記の通り、発見されたときにはかなり進行してしまっている場合が多いということもあり、生存率の低い(死亡率の高い)がんです。日本では毎年2万人以上がすい臓がん命を落としています。すい臓がんは患わないのが一番ですが、進行が早く、治療の難しいがんです。ですので、50代ころから定期的な健康診断やドックなどで、異常がないことを確認するのが現時点では一番の対策と言えるでしょう。

すい臓がんのリスク

糖尿病、慢性すい炎、肥満、喫煙などがすい臓がんのリスクとして挙げられます。

症状

早期のすい臓がんに特徴的な症状はありませんが、すい臓がんの患者さんが病院に来院される際には以下のような自覚症状を訴えることが多いようです。

・みぞおちや背中が何となく重苦しい、痛い
・食欲がわかない
・体重が減った
・黄疸(皮膚や白目の部分が黄色くなる状態)

自覚症状以外では、糖尿病を発症し、血糖値の値が悪くなることもあります。

検査

血液検査(血算、生化学、腫瘍マーカー)
腹部超音波検査(腹部エコー)
腹部CT
腹部MRI
MRCP(MRI装置で胆のう・胆管・すい管を同時に描出する検査)