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心臓病で年間19万人超が死亡

心臓病(心疾患)は、がん・脳血管疾患とならび、日本における三大死因といわれています。厚生労働省が2017年9月に公表した「2016年 人口動態統計(確定数)」によると、心臓病による死亡数は19万8,006人と、がんに次ぐ2位となっています。心臓病には、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や弁膜症・危険な不整脈などがあります。前記人口動態統計によると、(突発的に発症して死亡するケースもめずらしくない)急性心筋梗塞による年間死亡数は3万5,926人に達しています。

心臓は1日に約10万回、生涯休みなく拍動するポンプです。そして、心筋の細胞に栄養を与え、動かすためのエネルギーを供給しているのが「冠動脈(冠状動脈)」です。狭心症や心筋梗塞は、この冠動脈が動脈硬化などの原因で狭くなったり、閉塞することによって心筋に血液が到達しなくなること(心筋虚血)で起こる疾患です(そのため、狭心症と心筋梗塞は合わせて「虚血性心疾患」と呼ばれます)

動脈硬化とは、老化によって血管が硬くなったり、血管の壁に脂肪などの固まり(プラーク)が蓄積して血管の壁の一部が盛り上がり、血管の内腔が狭くなっている状態です。冠動脈が動脈硬化などによって狭くなると、血流が悪化して心筋に必要な血液が不足し、胸痛が起こります。これが「狭心症」です。さらに動脈硬化が進み、何かの原因で血管内のプラークが破れて冠動脈の血管内に血栓ができ、完全に詰まって心筋に血液が行かなくなった状態が「心筋梗塞」です。

発症前に心臓病リスクを把握することが予防に重要

とくに急性心筋梗塞は、突発的に発症して死亡にいたるケースもめずらしくないため、予兆としての動脈硬化の有無や進行度をチェックすることが、心臓ドックの大きな役割です。

心臓ドックの検査は、心電図検査(心筋虚血を証明するには簡便・確実とされています。運動負荷心電図検査もよく用いられます)が基本です。加えて、血液検査(トロポニン、BNPなど)や心臓CT検査(冠動脈の動脈硬化の進行度などをチェック)、頸動脈超音波(エコー)検査(全身の動脈硬化をチェック)などが実施されます(検査コースや健診施設によって異なります)

一般的に心臓病の危険因子としては、喫煙/糖尿病/脂質異常症/肥満/運動不足/高血圧―などがあげられます。また、発症の引き金となりやすい要因として、過度の疲労や睡眠不足、ストレスなどがよく知られています。

逆にいえば、心臓病を予防するには、禁煙とバランスのよい食事、適度な運動、ゆったりした生活を心がけることが大切です。そして、そうした生活からほど遠い毎日を送っている人も含むすべての受診者にとって、心臓ドックは、動脈硬化をはじめとする予兆のチェックを通じて心臓病リスクの現状を把握し、早期対応に役立てるという意味を持っています。