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肝炎とは

肝炎

肝臓は右の脇腹のあたりにある臓器です。人間の臓器の中で最大の大きさの臓器です。栄養分を取り込んで身体が必要な成分に変換したり、体内で発生したり体外から入ってきた有害物質の処理をする役割を果たしている非常に重要な臓器です。

肝炎はこの肝臓の細胞に炎症が起こり、破壊される疾患です。肝炎の原因にはウイルス性、自己免疫性、アルコール性、薬剤性などがあります。日本ではウイルス性、とくにB型とC型が大部分を占めています。

慢性のB型およびC型肝炎ウイルス感染者は300万人超であると推測されており、40歳以上の人が9割以上を占めていますが、昨今は若年者にB型肝炎ウイルス感染者が増加しています。下記でそれぞれのウイルス性肝炎について説明します。

B型肝炎

B型肝炎ウイルス(HBV)は主に血液・体液を介して感染し、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がんを引き起こします。現時点でB型肝炎ウイルス(HBV)に感染している場合は肝酵素の値なども合わせてみながら治療や経過観察を受ける必要があります。

肝機能異常や症状が出ないうち(無症候性キャリアといいます)は大きな問題はありませんが、とくに肝細胞がんのリスクが高いため、定期的に腹部の超音波・CT・MRIなどで、肝細胞がんが発生していないか確認していく必要があります。

C型肝炎

C型肝炎ウイルス(HCV)は主に血液を介して感染します。日本では以前輸血を介した感染が起こり問題となりましたが、1992年に輸血に用いられる血液製材に対しての感度の高いC型肝炎ウイルス(HCV)検査が導入され、 輸血による感染はほぼなくなりました。

現在では、覚せい剤等の注射器、入れ墨(タトゥー)用の針の使いまわし、ピアスの穴開けなどにより感染します。なお、B型肝炎ウイルス(HBV)と異なり、性行為による感染は少ないといわれています。

C型肝炎ウイルス(HCV)に感染すると10~20年かけてC型慢性肝炎や肝硬変にゆっくりと進行していきます。急性に肝炎を発症して症状が出にくいため、何かしら症状が出たころにはだいぶ進行してしまっている場合が多いです。

また、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染すると肝細胞がん発症のリスクが高く、肝硬変になると、10年後には約7割の確率で肝細胞がんが発生するとされています。したがって、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染している場合は、定期的に血液検査で肝機能の推移を見ていくのにあわせて、腹部の超音波・CT・MRIなどで、肝細胞がんが発生していないか確認していく必要があります。

A型肝炎

A型肝炎感染者の便に含まれるA型肝炎ウイルス(HAV)が水や食品を介して口から感染することで引き起こされます。日本での患者数は毎年100人程度でしたが、2014年から急激に増えていると報告されています。かつての日本は衛生環境が現在ほど良好でなかったため高齢者の人はほぼ全員A型肝炎ウイルス(HAV)の抗体を持っているといわれています。一方で55歳未満の人は抗体を持っていないといわれており、注意が必要です。不活化ワクチンの接種により、感染を予防することができます。

E型肝炎

E型肝炎はE型肝炎ウイルス(HEV)に感染することで、約6週間の潜伏期間(症状が出ない期間)を経て発症する急性の肝炎です。E型肝炎ウイルス(HEV)は発展途上国では主に汚染された水を介して感染しますが、先進国では豚肉やジビエ(野生動物の肉)や内蔵を非加熱または十分に火を通さないまま食べることによって感染すると考えられています。高齢者や妊婦では重症化のリスクが高いと言われています。

受けるべき検査

腹部超音波
腹部CT
腹部MRI
血液検査(肝機能検査、HBs抗原、HBs抗体、HCV抗体、血算など)
腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-II)