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高齢者だけでなく若年層でも増加

逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や十二指腸液、胃で消化される途中の食物が食道に逆流してとどまることによって食道が炎症を起こし、びらんや潰瘍を生じる疾患です。症状としては、胸やけや胸の痛み、胸部の違和感・不快感、腹部膨満感などさまざまです。

通常は、食道と胃のつなぎめにあたる下部食道括約筋が胃液の逆流を防いでいるのですが、この筋肉が加齢などによってゆるむと、胃のなかのものが簡単に食道に戻ってきてしまうのです。

そのため逆流性食道炎はこれまで、高齢者に多い疾患と考えられていましたが、最近では若年層にも増えています。その主な原因としては、食事の内容などがあげられます。

たとえば、脂肪の多い食事によって、何も食べていないときに下部食道括約筋がゆるみ、胃液が食道に逆流してしまうことがあります。また、脂肪の多い食事をした際に十二指腸から分泌されるコレシストキニンというホルモンの働きなどによっても、下部食道括約筋がゆるむと考えられています。

また、たんぱく質の多い食事も消化に時間がかかり、内容物が胃に長くとどまるため、胃液の逆流が起こりやすくなります。

逆流性食道炎の原因としてはほかにも、姿勢(背中が曲がるとおなかが圧迫され、胃のなかの圧力が高くなるため、胃液の逆流が起こりやすくなります)/肥満/他の病気に使用する薬剤の影響/慢性的な便秘などが考えられています。

組織の検査とPPIテスト

食道の病変が逆流性食道炎によるものか、がんなど他の疾患によるものかを区別しにくい場合は、内視鏡検査の際に病変部分の組織を取って、組織学的検査を実施します。

また、胸やけがあっても内視鏡検査で異常がみられない場合などには、酸分泌抑制薬による診断(PPIテスト)を実施します。これは、逆流性食道炎の治療に使われるプロトンポンプ阻害薬(PPI)を服用して効果を調べます。胸やけなどの症状が良くなれば、逆流性食道炎などの可能性が高いと診断されます。

受けるべき主な検査

経鼻または経口上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
組織の検査
酸分泌抑制薬による診断(PPIテスト)