吐き気のことを医学用語では「嘔気(おうき)」と言います。胃の中の物をはき出したいような感覚のことを指します。実際にもどしてしまう(吐いてしまう)ことを「嘔吐(おうと)」と言います。
吐き気と言うと胃の疾患の症状のイメージがありますが、脳の疾患や耳鼻科領域の疾患、精神疾患が原因で起こる場合もあり、放置すると命に関わるケースもあります。
また嘔気が強く、嘔吐してしまう場合、嘔吐が繰り返されると脱水や電解質異常、食道にダメージが加わって出血をきたすマロリー・ワイス症候群を起こす場合もあり、注意が必要です。
吐き気をおこす疾患
原因部位 | 疾患 |
---|---|
脳 | 脳出血、クモ膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など |
耳鼻科領域 | 良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、突発性難聴、メニエール病など |
消化器領域 | 胃腸炎、胆石・胆のう炎、胃十二指腸潰瘍、すい炎、虫垂炎、逆流性食道炎、食道アカラシア、腸閉塞(イレウス)など |
内分泌 | 糖尿病、甲状腺疾患、副腎不全、女性の場合は妊娠など |
精神科領域 | うつ病、パニック障がい、自己誘発性嘔吐、心因性多飲症、緊張やストレスなど |
その他 | 心筋梗塞、心不全、緑内障、薬物の影響、全身性毒素(菌血症、ウイルス性肝炎、リンパ腫などによる)など |