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自分は「なにを」「いつ」受けるべき?

現在の健康状態を多角的に知ることができる人間ドックには多くの検査項目があり、はじめて受診する人は特に「何を」受けるべきか、判断に迷うかもしれません。年代によって異なるオプション検査を推奨されることから、「いつ」受ければいいのか迷う人も少なくないでしょう。
疾患リスクは年代や生活環境でも変化します。まずは今の自分が何の検査を受けるべきなのかを知ることからはじめましょう。

生活習慣からみる受診判断

  • 外食ばかりが続き栄養を意識した食事が取れていない

    人間ドックで定期的な健康状態を確認しましょう

    バランスの偏った食生活や過度の飲酒などが引き金となってリスクが高まるのが、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などの生活習慣病です。重症化してさらなる合併症を招いてしまう前に、定期的に健康状態をチェックしましょう。

  • 喫煙歴が長くタバコがやめられない

    「肺の生活習慣病」COPDの初期症状を見逃さないで

    COPDとは、喫煙習慣を背景に発症する生活習慣病。肺がんはもちろん、心臓病や脳血管疾患のリスクを高める恐れもある疾患です。喫煙習慣がある人は人間ドックにて、胸部X線(レントゲン)や喀痰細胞診、呼吸機能検査(スパイロメータ)を定期受診しましょう。

  • 通勤時・休日共に運動する機会がほとんどない

    体形変化・自覚症状がなくても生活習慣病を疑いましょう

    生活習慣病は「食事」「生活」「運動」のバランスが崩れることに起因します。体形の変化がなく、規則正しい食事を心がけていたとしても、運動不足が引き金となり少しずつリスクが高まっていく可能性はゼロではありません。

(いつ受けるか)ライフステージ

結婚 : 将来の出産を考えて自身の体をチェック

結婚を機に、婦人科疾患が気になってくる女性は多いものです。子宮がんや乳がんなど、女性特有の疾患リスクを調べるレディースドックを活用しましょう。妊娠を望むタイミングになれば、男性にとっても健康管理は大切です。パートナーと共に受診できるブライダルチェックを実施している施設もありますので、結婚準備期間に相談しあってはいかがでしょうか。

医学的根拠
進行前に病気を見つける

子宮頸部(産道となる部分の一部)の細胞を採取して調べる「子宮頸部細胞診」は、子宮頸がんの死亡率を減少させることが科学的に認められています*。早期の子宮頸がんは自覚症状がないことが多いため、定期的な検診を受けることが大切です。
*国立がん研究センター がん情報サービス

ライフスタイル
生活習慣や遺伝もリスクになる恐れあり

婦人科疾患は、生活習慣や遺伝もリスク要因になると考えられています。喫煙習慣がある、運動不足や肥満気味、飲酒を好む方、また近親者に婦人科疾患者がいる方は、結婚のタイミングに限らず一度レディースドックを受診することをおすすめします。

年代
子宮頸がん発症は20代から

婦人科疾患には発症しやすい年代がありますが、子宮頸がんの発症は若年化しつつあり、20代~30代での発生が増えています*。若いうちは「がんにかかる」という危機感を抱く人は少ないかもしれませんが、早い年代からレディースドックや婦人科健診など、定期健診を受ける習慣をつけておくとよいでしょう。
*公益社団法人日本産科婦人科学会

育児 : 子育てはママ・パパの健康があってこそ

育児中のママ・パパにとっては、お子さまの健康が最優先になりがちです。しかし、毎日の暮らしやお仕事は親御さんの健康があってこそ成り立つもの。小さなお子さまと一緒だと目が離せなくて不安という場合は、キッズスペースや託児室のある施設もありますので、施設情報を確認してみてください。ご自身の健康管理も忘れないよう、定期的な健診を心がけましょう。

医学的根拠
授乳中に乳房トラブルに気付くケースも

乳がんと区別しにくい病気の代表格として、乳腺炎があります。これは授乳中に多い乳腺の炎症で、細菌の感染や母乳が出にくくなることに起因します。授乳中であっても乳がん検診をすることは可能ですが、体に負担のない触診と超音波検査(エコー)が良いでしょう。

ライフスタイル
定期検診は継続しましょう

なにかと慌ただしい育児中は、自分のことはつい後回しになりがちです。しかし乳がんの家族歴がある人は特に、症状に変化がなくても定期的に検診を受け続けてください。乳房のわずかな変化を見逃さないことが大切です。女性特有の疾患リスクを検査するには、婦人科検診やレディースドックを活用しましょう。

年代
出産時期により起こりやすい病気は変化する

乳がん検診は40歳以上の女性を対象に2年に1回、子宮頸がん検診は20歳以上の女性を対象に2年に1回の受診を推奨しています。年齢や月経の状態、妊娠・出産の時期によっても起こりやすい病気は変わります。自身の健康を守るためには、自覚症状のない時にこそ定期的に検診を受けることが大切です。

30代後半 : 仕事・家庭で責任が増す世代は生活習慣病に注意

働き盛りの世代は、ストレスや生活習慣の影響を受けることが多くなります。食生活の変化により若い世代でも生活習慣病が発症している昨今、疾病リスクが高まる30代後半を迎えたら、健康診断だけではなく人間ドックも受診した方がよいでしょう。より詳細に生活習慣病について調べることができるほか、がんの早期発見にも有用です。

医学的根拠
進行前に病気を見つける

日本人の死亡原因の第1位はがん*であり、日本人のがん部位別罹患数で常に上位に位置するのが胃がん**です。自覚症状なく進行する胃がんは、早期発見ができれば生存率はほぼ100%といわれています。家庭や仕事で責任が増す30代のうちから、上部消化管X線検査、上部消化管内視鏡検査をすることは有用です。
*平成28年(2016)人口動態統計(厚生労働省)
**国立がん研究センター

ライフスタイル
健康診断では見つからないリスクをチェック

生活習慣病のうち、高血圧や脂質異常症のリスクは一般的な健康診断でも調べることが可能です。しかし心臓病や脳血管疾患のリスクは健診で見つかることはありません。これらの疾患は早期発見が何よりも重要となるため、心臓ドックや脳ドックの活用をおすすめします。

年代
三大疾病の発症は40代から増加

がん・心臓病・脳血管疾患(脳卒中)はいずれも、40代から発症数が増加傾向にあります。たとえ自覚症状がなくとも、40歳を越えたら疾患リスクを把握することこそが真の健康管理。そのために人間ドックを活用してください。

40代後半 : 身体能力の低下とともに疾患リスク増加

年齢を重ねるにつれて風邪を引きやすくなった、階段を少し上るだけで息切れがする、といった身体の変化・体力の低下を感じている人は少なくないでしょう。40歳代は生活習慣病などの症状が表面化しやすく、肉体的能力や女性ホルモンの低下にもさしかかります。経年での変化を確認するためにも、年に1回の定期的な人間ドック受診をおすすめします。

医学的根拠
大腸がんは40歳から発症リスク増大

歳を重ねると健康診断ではカバーできな疾患リスクが急増します。男女ともに罹患数・死亡数の順位が高い大腸がんは、40歳以上になると発症リスクが増加する傾向にあります。食生活を含む生活習慣の乱れを実感している方は特に、遅くとも50歳までには1度大腸内視鏡検査を実施し、ポリープができやすい体質か調べておくことをおすすめします。

ライフスタイル
生活習慣の見直しと定期健診で健康管理・維持を

多忙な日々を送る40代~50代は、筋肉量が減少し筋力が低下し始めると同時に、身体能力が徐々に下降していく世代です。それはつまり、肝臓・膵臓・心・肺などを含む内臓機能も落ち始めるということ。仕事量や生活習慣を見直ししつつ、定期的な健診で自身の健康管理・維持につとめましょう。

年代
前立腺がんは加齢と家族歴が一因

50歳を過ぎると前立腺がんの罹患率が増加します。おもに加齢による男性ホルモンバランスの変化に起因しますが、家族歴も危険因子のひとつです。近年、食事の欧米化などの影響もあり前立腺がんは急速な増加が懸念されており、2020年には男性のがん部位別罹患数において前立腺がんがもっとも多くなるという予測が出ています。初期には自覚症状がありませんので、早期発見のためにPSA検査(血液検査)を定期的に受診することが大切です。
*出展:国立がん研究センター がん情報サービス「がん登録・統計」
**全国がん罹患数・死亡数・有病数将来推計値(2015~2039年)

定年 : 健康寿命を伸ばすために自身の体と向き合いましょう

がんや生活習慣病が進行している恐れがないか、たとえ自覚症状がなくても健康で生きられるために人間ドックを活用しましょう。特定の部位だけの検査でなく、年に一度は全身の健康状態をチェックするのが良いでしょう。これまでの結果との比較しながら、より早いタイミングでリスクを把握することが大切です。

医学的根拠
心臓病の罹患者は50代半ばから増加

厚生労働省『患者調査の概況2014』によると、心臓病の総患者数は172万9千人です。年代別にみると、50代半ばから本格的に増え、60代半ばから爆発的に増加しています。心臓病のなかでも特によく知られる「狭心症」と「心筋梗塞」のリスクを調べるためにも、人間ドックや心臓ドックを活用しましょう。

ライフスタイル
認知症リスクの不安は「脳ドック」で備える

物忘れや判断力・理解力の低下など、日常生活で脳の衰えを感じてしまう場面は少なくないかもしれません。厚生労働省によると、認知症患者は2025年には65歳以上の5人に1人(約700万人)にもなると予測されています。認知症の原因はさまざまですが、覚症状のない脳の疾患を早期に発見し、予防することが脳ドックの目的。自分はまだ大丈夫だと思っていても、現在の脳の状態を知り、今後に備えるために脳ドックを活用することをおすすめします。

年代
膵臓がんリスクも60代から一気に増加する

2018年に国立がん研究センターから発表された「がん統計;地域がん登録における5年生存率」では、詳細部位の中で膵臓がんの生存率が最も低く、ステージが進むにつれてその確率が著しく低下するといわれています。性別に関わらず高齢になるにつれて罹患リスクは高まり、がんが進行すると生存率は極端に下がるため、早期発見が重要となります。腹部超音波検査(腹部エコー)や腹部CT検査などを活用し、自身の健康状態を把握してください。

どんな検査があるの?

代表的な全身の検査

人間ドック

人間ドックとは、疾患リスクの早期発見・早期診療を目的とする任意(自由診療)の健康診断であり、いまや、がん・心臓病・脳血管疾患など重大な疾患のリスクを調べるとともに、それらと密接な関係にある糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満(生活習慣病)や動脈硬化などのチェックに欠かせないとされています。

代表的な体の一部の検査

脳ドック

脳ドックは、脳血管疾患(脳卒中)リスクを早期に見つけることを目的とする検査コースの総称です。多くの健診施設で採用されています。実施される検査は、頭部MRI(磁気共鳴画像撮影法)検査と頭部MRA(磁気共鳴血管撮影法)検査が中心です。頭部MRI検査は主に潜在する脳梗塞・脳出血の有無を、頭部MRA検査は主に未破裂脳動脈瘤(くも膜下出血=出血性の脳卒中を引き起こす)および脳動脈の閉塞や狭窄をチェックします。

肺がん検診

肺がん検診とは、肺を中心に(気管・気管支などを含む臓器を)検査することによって、主に肺がん(さらには肺気腫、肺炎、肺結核などの)リスクを調べる検査コースの総称です。肺がんは、がんの部位別死亡数で1位(大腸がんや胃がんを上回る)となっており、疾患リスクの早期発見は、受診者や家族はもとより社会的にも大きな意味を持っています。

代表的な性別特有の検査

婦人科検診

婦人科検診とは、乳がん検診と子宮がん検診をセットにした検査コースの総称です。検査対象となるのは、乳がん、子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)、卵巣がん、子宮筋腫・子宮内膜症などの各リスクです。乳がんによる死亡者の99%は女性であり、子宮がん・卵巣がんは女性特有のがんです。そのため、健診施設や検査コースによっては、女性医師・女性検査技師が対応する場合もあります。

乳がん検診

乳がん検診とは、乳がんの発見を目的とする検査コースの総称です。女性にとって乳がんは、がんの部位別死亡数(2016年)では(大腸、肺、すい臓、胃の各がんに続いて)5位、年間1万4,015人が亡くなりました。また、がんの部位別罹患数(全国推計値:2013年)では1位となっています。そのため、乳がんリスクの早期発見は、受診者や家族はもとより社会的にも大きな意味を持っています。

コース・病院の選び方

選び方のポイント

費用に関して

人間ドック (基本コース)
平均価格

¥40,000

人間ドック + 脳ドック
平均価格

¥35,000

人間ドック+男性特有検診
平均価格

¥50,000

人間ドック+女性特有検診
平均価格

¥50,000

検査時間に関して

全身の健康リスクをチェックする一般的な人間ドックの場合は1~3時間ほどで行われます。脳や心臓などの特定部位についての専門ドックや、男性・女性特有疾患の検査項目を追加する場合、所要時間は1~2時間ほど追加となります。また検査項目数によっては、受診者負担を考慮して食事や宿泊を伴うコースとする施設もあります。

人間ドック (基本コース)
平均時間

1〜3時間

人間ドック + 脳ドック
平均時間

2〜4時間

人間ドック+男性特有検診
平均時間

1〜3時間

人間ドック+女性特有検診
平均時間

1.5〜3時間

受診施設に関して

人間ドックは医療機関によって費用や検査項目が異なります。まずは、自身が気になる疾患リスクの検査項目が含まれているかをチェックしましょう。そして人間ドックは病気の「治療」ではなく、病気になる前の「予防」として受ける検査のため、保険適用外となります。検査項目、費用感、立地などを比較検討し、可能な限り納得できる受診施設を選びましょう。

予約から終了までの流れ

お申込
  1. 1.検索する

    「検査コース」、「地域」、「予約の多いコース」から絞り込み、気になる医療機関をチェック。一覧内のコースをクリックすると、検査内容や所要時間、費用などをご確認いただけます。特典付きの検査コースも!

  2. 2.申し込む

    医療機関が決まったら、お申込フォームから来院の予約をしましょう。カレンダーから受診希望日をお選びいただき、お名前など 予約時に必要な情報をご入力ください。

  3. 3.予約完了

    その後、病院から予約内容確認の電話がきます。確定後、予約が成立します。

当日
  1. 1.受付

    事前に問診表や検査キットが届く場合、そちらを回収します。

  2. 2.健康診断着に着替え

  3. 3.共通検査

    身長・体重や視力、血圧、採血、眼底、心電図、胸部X線など基本的な検査をします。

  1. 4.上部消化管検査

    内視鏡やX線造影での検査がメインです。

  2. 5.共通検査

    頭部MRIや胸腹部CT、マンモグラフィー、子宮がん検査など、選択したオプション検査を行います。

  3. 6.内診血液検査結果説明

    一般的な血液検査項目(末梢血液検査・肝機能・脂質・代謝系・腎機能など)のみの結果説明を行います。

  4. 7.検査終了

受診結果
  1. 1.受診結果

    約3~4週間後に結果が出ます。受け取りの形式を郵送・来院からお選び頂ける場合も。来院の場合、医師から詳しい説明があります。

  2. 2.結果に異常があったら…

    二次検査や治療が必要と診断されたら、必ず早めに医師の診察や検査を受けましょう。同じ病院での治療が可能な場合や、提携している病院の紹介を受けることがあります。